正しい敬語 / 第48回
「ご高配を賜り」は何へのお礼?定型句を意味から使いこなす
「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」。案内状でよく見る一文ですが、何へのお礼かを説明するとなると、少し迷うかもしれません。
大まかに言えば、「日頃から特別な心遣いをいただき、深く感謝しています」という意味です。
「ご高配」は相手の配慮、「賜る」は受ける側の言葉
「高配」は、相手の心遣いや配慮を敬っていう言葉です。「ご高配」として、こちらを気にかけ、便宜を図ってくれていることへの敬意を表します。
「賜る」は「たまわる」と読み、ここでは「もらう」の改まった謙譲表現です。相手の配慮を、自分たちが受けているという関係になります。
「平素」は日頃、「格別」は特別であること。だから、初めて連絡する相手に機械的に書くと、まだない関係を前提にしてしまいます。ただし、本人とは初対面でも、会社同士に以前からの付き合いがある場合は、その関係への挨拶として使えます。
具体的なお礼まで定型句に預けない
「事務所移転のお知らせ」など、取引先へ改まった案内を送るときには、冒頭の一文がよく合います。普段の短い返信では、そこまで改まらなくても失礼にはなりません。
たとえば打ち合わせ後なら、「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」。急な変更に対応してもらったなら、「日程をご調整いただき、ありがとうございます」と、直接お礼を伝えられます。
日頃の関係への挨拶と、今回してもらったことへのお礼を分けて考えると、言葉を選びやすくなります。
「ご高配を賜り」を入れたあとに、さらに同じ意味の挨拶を何行も重ねる必要はありません。案内状なら次に用件へ進み、個別のお礼なら助かった点を一つ添える。格式のある言葉を使うほど、その後は何を伝えたいのかをはっきりさせたいところです。
参考:用語の解説
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