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LINTO日本語の校正と推敲

間違えやすい日本語 / 第149回

「意思」と「意志」はどう違う?確認するのはどちらの気持ち?

「参加するいしを確認する」の「いし」は、「意思」と書くのが分かりやすい場面です。一方、「最後までやり抜く強いいし」は「意志」が合います。「意思」は考えや意向、「意志」は物事を実現しようとする気持ちに重点があります。 ただし意味が重なる範囲もあり、どちらか一方しか成立しない文ばかりではありません。

相手の意向を確かめるなら「意思」

「参加の意思を確認する」「本人の意思を尊重する」は、その人がどうしたいと考えているかを扱う文です。賛成するか、辞退するか、どちらを希望するかなど、具体的な意向を確かめています。

「意思疎通」は、互いの考えを伝え合い、理解し合うことです。「意思表示」は、自分の考えや意向を外へ示すことです。連絡や合意の場面では、これらの書き方が一般的です。

「本人の意思を確認しました」と報告する場合は、何について確認したかも重要です。参加したいことを確認しただけなのに、役割や費用への同意まで得たように広げないようにします。「参加を希望していることを確認しました」と具体化する方法があります。

やり抜こうとする気持ちは「意志」

「強い意志で練習を続けた」「自分の意志を貫いた」は、目標や方針を実現しようとする心の働きを表しています。「意志が強い」「意志が固い」といった組み合わせも、この字を使います。

「意志を固める」は、何をするかを決め、気持ちを定めることです。「意思を伝える」が相手へ意向を知らせることなのに対し、「意志を固める」は自分の内側で決心することに焦点があります。

ただ、意志が強いから結果も必ずよい、という意味ではありません。「意志は強かったが、方法を見直す必要があった」と書けます。継続する気持ちへの評価と、行動の適切さは分けて考えられます。

「参加の意志」はすべて誤りではない

辞書には「意志」にも、あることをしたい、したくないという意向の意味が記されています。そのため、「参加する意志がある」を、文脈を見ずに一律の誤りとするのは狭すぎます。

出欠の確認として書くなら「参加の意思」が一般的で分かりやすく、参加しようという積極的な決意を強調する文なら「意志」を選ぶ余地があります。語の意味が接する場所では、何を強調したいかを考えます。

文書内の表記を揃えたいなら、出欠や希望は「意思」、決意や精神の強さは「意志」とする方針にできます。ただし、それは読みやすさのための編集上の選び方であり、他の文章の同じ表記をすべて誤字とする根拠ではありません。

「意志が弱い」で行動の原因を片づけない

予定を続けられなかった人へ「意志が弱い」と言うと、その人の気持ちの強さに原因を置く評価になります。時間や環境の制約があるなら、そこを見落としているかもしれません。

「毎日続けるには時間が足りなかった」「目標が大きすぎた」のように、具体的な条件を示せます。気持ちについて述べたいときでも、「続けたい気持ちはあるが、今の予定では難しい」と分けて書けます。

相手の意向を聞く場合も、「意志があるならできるでしょう」と実行まで迫るのでなく、「参加を希望していますか。難しい条件があれば教えてください」と確認できます。希望と実行可能性は別です。

迷ったら「何をしたいか」へ戻す

「いしを示す」とだけ考えると迷うことがありますが、「本人が参加したいと伝えた」「最後まで続けると決心した」と具体的にすれば、焦点が見えます。

前者なら意思表示、後者なら意志を固めたという表現がなじみます。漢字二字へまとめず、そのまま短い文で書いても構いません。意向を共有する話なのか、目標へ向かう決心なのかを分けると、表記だけでなく伝えたい内容も整います。

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