正しい敬語 / 第61回
「なるほど」は上司に失礼?相づちを全部「承知しました」に替えていい?
上司から事情を聞いて「なるほど」と返したあと、失礼だったかと気になる。そんなとき、次から全部「承知しました」に替えればよいのでしょうか。
二つの言葉は、そもそも伝える内容が違います。「なるほど」は納得や感心、「承知しました」は理解し、引き受けたことなどを表します。
納得する相づちと、依頼を受ける返事は違う
「会場を変えたのは、駅から近い方が参加しやすいからです」と説明されたなら、「なるほど、移動の負担を考えたのですね」と返せます。説明を理解したことが伝わる相づちです。
一方、「新しい会場の住所を参加者に知らせてください」という依頼には、「承知しました。本日中に案内を送ります」と返せます。こちらは、行動を引き受ける返事です。
納得と了承を区別しないまま置き換えると、引き受けていないことまで了承したように見える場合があります。
「なるほど」だけで終えると、評価するように聞こえることも
「なるほど」は尊敬語ではありません。言い方や関係によっては、相手の説明を採点するように聞こえたり、軽く受け流した印象になったりします。改まった場面なら「そういう理由だったのですね」「ご説明ありがとうございます」などを選べます。
ただ、敬語ではない相づちを使ったら常に失礼、という判断も極端です。会話全体が丁寧で、相手の話をよく聞いていることが伝わるなら、「なるほど」が自然に入る場面もあります。
「なるほど、なるほど」と繰り返すより、分かった点を短く言葉にすると、聞き流していないことが伝わります。まだ不明な点があれば、「理由は分かりました。開始時刻も変更になりますか」と尋ねられます。
相づちの正解を一語に固定するより、分かったのか、賛成したのか、頼まれたことを引き受けたのかを、その都度確かめる方が役立ちます。
参考:用語の解説
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