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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第97回

「お並びください」だけでは伝わらない?順番待ちの丁寧な案内文

「お並びください」は、列に並ぶよう求める丁寧な案内です。ただ、この一言だけでは、どの列のどこに並べばよいか分からない場合があります。

受付前と支払い待ちの列が別なら、目的を示すことが必要です。相手を急かさず、最後尾や受付方法を短く伝えると、列を動かすための声かけになります。

列の目的と最後尾を示す

これから受付をされる方は、青い案内板を先頭に、一列にお並びください。最後尾はこちらです。

何の列か、どう並ぶか、どこへ行けばよいかを示した例です。「こちら」と言うときは、相手から位置が見えているかにも注意します。声だけの案内なら、「入口右手の列」と場所を具体的に伝えられます。

既に受付を済ませた人には、「受付がお済みの方は、そのまま会場へお進みください」と別の案内が必要です。全員に「お並びください」と繰り返すと、終わった人まで列に戻る可能性があります。

オンライン予約の有無で入口が違う場合も、「予約のある方」「当日お申し込みの方」を明示します。窓口の内部で使う番号だけを言うより、来場者が自分で判断できる名称にします。

順番を確認するときは決め付けない

列の途中に入ったように見える人がいても、同行者との合流や係員の案内で移動した可能性があります。最初から割り込みと断定せず、確認できます。

恐れ入ります。こちらの列でお待ちでしたか。新しくお並びになる場合は、最後尾があちらです。

事情を尋ねる余地を残しながら、並ぶ場所を示した文です。列を管理している側なら、必要なルールを明確に伝えて構いません。

こちらでは、おそろいになった順にご案内しています。ご一緒の方がお戻りになりましたら、お声をお掛けください。

これは実際にその運用をしている場合の例です。現場で決まっていないルールを、注意しやすくするために作って伝えないようにします。

一列か複数列かは言葉にする

「順番にお並びください」だけでは、列が分かれている場所でどちらへ進むか迷います。

受付の形案内の例
一列から空いた窓口へ一列でお待ちください。空いた窓口へ順にご案内します
用件ごとに別の列受取りの方は右側、申込みの方は左側へお並びください
番号札で呼ぶ番号札をお取りの上、お席でお待ちください

「お並びください」に、列の作り方と呼ばれ方を添えると、相手が周囲の様子だけで推測しなくて済みます。

番号札が必要な受付で、後から来た人が先に呼ばれているように見える場合もあります。「用件により順番が前後します」と案内できますが、それだけで全て納得してもらえるとは限りません。どの窓口を待っているのか質問されたら、個別に確認します。

待つことが難しい人には別の案内を

長い列で立ち続けることが難しい人がいた場合、「皆様お並びですので」とだけ返すと、相談した内容に答えていません。座って待てる運用があるなら、具体的に案内します。

お席でお待ちいただけます。順番が来ましたらお声を掛けますので、こちらの番号札をお持ちください。

その方法を用意できない場合は、担当者に確認した上で返事をします。相手の事情を大声で周囲に説明させる必要はありません。

「ご協力ありがとうございます」は、並び直してもらった後に添えられます。最初の案内が分かりにくかったなら、「案内が分かりづらく、申し訳ありません。最後尾はこちらです」と、必要な場所をあらためて示せます。

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