間違えやすい日本語 / 第24回
「雨模様」はもう雨が降っている?案内で誤解させない書き方
「外は雨模様です」だけでは、すでに雨が降っているかは決まりません。もともとは雨が降りそうな空を指す言葉ですが、今は降っている様子にも使われています。雨具が必要か、屋外で待てるかを知らせたい文では、実際に降っているかを直接書く方が確かです。
「雨模様と書いてあるから、まだ降っていないはず」とも、「雨模様なら小雨が降っている」とも断定できない言葉です。
「雨模様」には降りそうな様子と降っている様子がある
デジタル大辞泉の「雨模様」は、雨が降りそうな空の様子に加え、雨が降っているらしい様子を載せています。補説では、現に降っている意味でも使われると説明しています。
そのため、雨が降る中で「雨模様の一日だった」と書かれていても、それだけで誤用とは言えません。一方、従来の意味を知る読み手は、降りそうでまだ降らない空を思い浮かべることもあります。
感想文で空の雰囲気を伝えるには使えますが、現在の降水状況をこの一語だけに任せると、読み手によって受け取り方が変わります。
待ち合わせの連絡なら「小雨が降っています」
例えば、先に会場に着いた人が、これから来る相手へ送る連絡を考えてみます。
| 実際の状況 | そのまま伝える例 |
|---|---|
| まだ降っていない | 今は曇っています。会場ではまだ雨は降っていません。 |
| 弱い雨が降っている | 会場付近は小雨が降っています。 |
| 降ったりやんだりしている | 小雨が降ったりやんだりしています。 |
「雨模様です」より少し長くても、相手が知りたいことは明確です。自分が見ている天気と、これからの予報も混ぜずに書けます。
「今は降っていませんが、午後は雨の予報です」とすれば、現在の観察と今後の見込みが分かれます。雨雲があることだけで、何時から降ると決めてしまう必要もありません。
「雨模様のため中止」は理由が足りる?
行事の開催判断を伝える際にも、「雨模様のため中止します」だけでは、何を基準に決めたかが見えにくい場合があります。
すでに降っている雨で会場が使えないなら、「雨で会場が使用できないため、本日の催しは中止します」と説明できます。予報を見て中止したのなら、そのことを書きます。
「雨模様」は雨の強さや危険の程度を特定する言葉でもありません。必要なのは、この表現を全てなくすことではなく、行動を決める連絡に、読み手が推測しなければならない部分を残さないことです。