間違えやすい日本語 / 第23回
「小春日和」は春にも使える?季節の挨拶で迷う言葉
春の暖かい日に「小春日和」と書くのは、言葉の意味に合いません。「小春日和」は、晩秋から初冬にかけての暖かく穏やかな晴天を指します。 「春」の字があっても、春そのものの天気を表す言葉ではありません。
春の手紙や行事の案内なら、「春らしい穏やかな日」「暖かな春の日差し」と書けます。小春日和に似た難しい言葉を探さなくても、伝えたい天気をそのまま表せます。
「小春日和」を使う季節は晩秋から初冬
気象庁の天気予報等で用いる用語「季節現象」でも、小春日和を晩秋から初冬の暖かく穏やかな晴天として説明しています。例えば、寒い日が増えてきた11月に、よく晴れて風も穏やかな日が訪れた場面なら使えます。
小春日和の午後、庭のベンチでお茶を楽しみました。
反対に、桜が咲く4月の写真に「小春日和のお花見」と添えると、季節がずれます。「穏やかな春の日にお花見を楽しみました」で、景色に合った説明になります。
使えるかどうかは、暖かさだけでは決まりません。季節に加えて、晴れていて穏やかだという条件も含む言葉です。風雨が強い日を、気温だけ見て「小春日和」と呼ぶのは避けたいところです。
季節の挨拶にはその日の実感を入れられる
晩秋の手紙なら、次のような書き出しができます。
小春日和が続いています。お変わりなくお過ごしでしょうか。
ただし、実際には冷たい雨が続いているのに、時候の例文からそのまま選ぶと、今の天気と合いません。「朝晩は冷え込むようになりました」など、そのときの様子で書けます。
また、遠くに住む相手へ送る場合、こちらの天気が相手の地域でも続いているとは限りません。「こちらは小春日和の一日でした」と書けば、自分のいる場所の近況として伝わります。
春の文章ではどう言い換える?
春の穏やかな晴れなら、「うららかな春の日」「暖かな陽気」が使えます。「今日はよく晴れて暖かいですね」でも、手紙の書き出しとして十分自然です。
春のお出かけを紹介するなら、「暖かな日差しの中、桜を見に出かけました」。実際の季節や天気に合う表現を使えば、情景も無理なく伝わります。