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LINTO日本語の校正と推敲

間違えやすい日本語 / 第48回

「違くて」「違うくて」は文章でも使っていい?

報告書や提出原稿で「予想と違くて驚いた」と書いたなら、「予想と違って驚いた」に直すのが基本です。「予想と違うくて」も同様です。標準的な文章では「違って」を使えます。

ただし、会話の「違くて」をすべて「違って」に置き換えると、かえって意味が取りにくくなる場合があります。「違う」と何を否定しているのかを見て、直し方を選びます。

何かと異なるなら「違って」

「想像していた色と違くて、交換をお願いしました」では、色が想像と異なっていたことを述べています。「違って」に替えれば、そのまま伝わります。

想像していた色と違って、交換をお願いしました。
去年と日程が違っていたので、予定を調整しました。

国立国語研究所の解説も、「違くて」を標準的に言えば「違って」だと説明しています。「違うくて」も同じ形の問題として取り上げています。

「違くて」は、意味を考えずに打ち間違えただけの形とは限りません。話し言葉として使われる背景があります。だからといって、提出する文章の形まで同じにする必要はなく、読み手や掲載先に合わせて「違って」に整えられます。

誤解を打ち消すときは「そうではなくて」

次のようなやり取りでは、単に二つのものを比べているわけではありません。

「参加したくないということですか」
「違くて、その日は別の予定があるんです」

この返事で伝えたいのは、「参加したくない」という相手の理解を否定することです。文章として整えるなら、「そうではなく、その日は別の予定があるんです」や「参加したくないわけではなく、その日は予定があるんです」と書けます。

国立国語研究所も、「違くて」が「違って」より「そうではなくて」に近い働きをする場合を指摘しています。比較の「違う」なのか、相手の受け取り方を打ち消しているのかによって、合う言い換えが変わります。

会話を書き起こす場合は原稿の目的に合わせる

話者の言い方を残す対談や創作の会話文では、「違くて」をそのまま載せる判断もあります。一方、発言の内容を整理して伝える議事録なら、「日程が前年と異なるため、調整が必要との意見があった」のように、内容を中心にまとめられます。

相手の発言を引用する場合は、引用の方針に沿って扱います。その箇所で述べたい内容を確認すれば、「違って」「そうではなくて」「異なるため」の中から、意味の合う形を選べます。

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