間違えやすい日本語 / 第59回
「普通においしい」は褒めている?言った側と聞いた側がずれる理由
料理を食べて「普通においしい」と言ったら、作った人が少し残念そうだった。言った側は褒めたつもりでも、聞いた側には「特別ではない」と伝わったのかもしれません。
「普通においしい」は、十分おいしいという肯定にも、平凡な味という評価にも受け取られます。 一つの意味だけで解釈できないところに、すれ違いが生まれます。
「普通に」が「とても」に近づくこともある
「普通」は、特別ではない、一般的だという意味です。一方、「普通にきれい」「普通に面白い」のように、別に問題がなく、しっかり評価できるという使い方もあります。
JapanKnowledgeの解説は、こうした用法が辞書にも記載されていることを紹介しています。「普通に」は必ず評価を低くする、というわけではありません。
値段が安くて少し心配だったけれど、普通においしかった。
この文なら、心配するような味ではなかったという肯定に読めます。ただ、強く感動した味とまで言っているかは、声の調子や文脈にもよります。
作った人に何を伝えたい?
「普通においしい」を「すごくおいしい」のつもりで使うなら、そう受け取らない人がいることは知っておけます。相手に意味を説明しても、最初に感じた物足りなさがすぐ消えるとは限りません。
「香りがよくておいしい」「酸味がちょうどいい」「もう一杯食べたい」のように、気に入った点や気持ちを言えば、評価が伝わりやすくなります。
レビューで「普通においしい」とだけ書いても、読み手は味の特徴をつかめません。日常の会話で使うことを一律にやめる必要はありませんが、せっかくの感想なら、何がよかったのかを一言足せます。同じ褒め言葉を共有しているか分からない相手には、その具体性が助けになります。
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