本文へ移動
LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第46回

「ご笑納ください」をおわびの品に添えていい?贈り物の一言を選ぶ

おわびの品を渡すときに、「どうぞご笑納ください」。贈り物に添える定型句としては聞き慣れていても、謝罪の場面には選びにくい言葉です。

「笑納」は、つまらない物ですが笑って受け取ってください、という気持ちで贈り物を差し出す表現だからです。

「ご笑納ください」は、贈る側が品を控えめに言う言葉

「ご笑納」は「ごしょうのう」と読みます。相手に笑顔を強制するというより、自分の贈り物を大げさに扱わず、気軽に受け取ってほしいという言い方です。

「ささやかですが、旅先の菓子をお送りしました。ご笑納いただければ幸いです。」

こうしたお土産や季節の贈り物なら、意味に合います。ただ、日常の短いメッセージでは少し改まって聞こえます。「お口に合いましたらうれしいです」など、品物に合う言葉を選んでもよいでしょう。

謝罪では「笑って受け取って」と求めない

おわびの場面では、相手の不満や困り事が解消しているとは限りません。そこで「ご笑納ください」と添えると、軽く済ませようとしているように聞こえるおそれがあります。

「このたびはご迷惑をおかけし、申し訳ありません。おわびの気持ちとしてお持ちしました。お納めいただけますと幸いです。」

このように、謝罪と品を差し出す言葉を分けられます。贈り物という共通点だけで、祝いもおわびも同じ一言にしないことが大切です。

受け取る側は「お心遣いありがとうございます」「ありがたく頂戴いたします」と返せます。相手が自分の品を控えめに言ったからといって、こちらまで「つまらない物」と呼ぶ必要はありません。

品物をどう受け取ってほしいのかより先に、どんな用件で渡すのか。その順に考えると、添える一言が場面から浮きません。

参考:用語の解説

自分の文章を校正する登録なしで200文字まで無料で使えます。
すべてのコラムを見る