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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第59回

メールは「拝読」?資料は「拝見」?読んだことを伝える敬語

「メールを拝読しました」と「メールを拝見しました」。どちらか一方だけが正しいのでしょうか。メールを読んだことを伝える場面では、どちらも使えます。

「拝読」は読むこと、「拝見」は見ることをへりくだった言い方です。媒体の名前だけで決めるより、何をしたと伝えたいかで選びます。

文章を読んだなら「拝読」、全体を見たなら「拝見」

「ご寄稿の文章を拝読しました」なら、文章を読んだことに焦点が当たります。「展示のお写真を拝見しました」なら、写真を見たことを表します。

文章と図が入った資料は、どちらでも表せる場合があります。「資料を拝読しました」は内容を読んだことを、「資料を拝見しました」は目を通したことを広く伝えます。

ウェブページでも同じです。記事の文章を読んだなら「拝読」、掲載された写真やページ全体を見たなら「拝見」が合います。画像が一枚あるから「拝読」は誤り、と決める必要はありません。

文書の種類より、自分が行った「読む」「見る」に合わせると、使い分けが自然になります。

相手に読んでもらうときは「ご拝読ください」にしない

「拝読」「拝見」は、自分側の行為をへりくだって表す言葉です。相手への依頼なら「お読みください」「ご覧ください」と言います。

「こちらの案内をご拝読ください」では、読む相手の行為を謙譲表現にしてしまいます。「案内をご覧ください」で十分丁寧です。

自分の報告としての「拝読いたしました」は、相手を立てる「拝読」と、丁重に述べる「いたす」を組み合わせた形です。「拝読しました」より改まった場面に使えます。Precious.jpの敬語解説でも、この形を二重敬語とは区別しています。

感想を返すなら、続けて一箇所に触れてみてください。「対談の後半にあった、資料を選ぶ基準が印象に残りました」。読んだことが、一語の敬語より具体的に伝わります。

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