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一文が長すぎる文章を短くする|意味を減らさず読みやすくする方法

一文が長いと言われたとき、字数を削るのは最後でかまいません。先に見るのは、その一文がいくつの仕事をしているかです。同じ60字でも、話が一方向に進む文は読めますし、三つの用件が詰まった文は40字でも重く感じます。長さそのものより、一文に抱えさせている役割の数が、読みやすさを決めています。

社内のお知らせから、一例。

今年度から研修制度が新しくなり、対象となる方が部署ごとに異なるため、まずは人事から各部署の担当者に対象者の一覧をお送りし、そのうえで受講期限のご確認をお願いします。

制度が新しくなった、対象が部署で違う、人事が一覧を送る、と次々に受け取って、最後の「ご確認をお願いします」で、ようやく自分の仕事が分かります。それまでの間、受け取った側は「で、何をすればいいのか」を保留にしたまま読んでいます。この保留の時間が、一文が長いときの読みにくさの中身です。

長さの正体は、述語の数

長い文を見つけたら、文の中に埋まっている述語を数えてみます。さきほどの文なら「新しくなり」「異なるため」「お送りし」「お願いします」の四つ。動きを決める言葉が一文にいくつも並んでいたら、それぞれが別の文になれる合図です。 字数が多くても述語が一つなら、たいてい一方向に読めます。逆に述語が三つを超えると、一つの文の中で話題が二度、三度と切り替わるので、文末まで何の話か決めきれません。

読点の数も目安にはなりますが、読点は打ち方の癖で増えたり減ったりするので、述語を数えるほうが確かです。

相手が最初に知りたいことから並べる

研修の文を述語ごとに分けて、担当者が最初に知りたいことから並べ直します。

各部署の担当者の方に、受講期限のご確認をお願いします。今年度から研修制度が新しくなり、対象となる方が部署ごとに異なります。対象者の一覧は、人事から担当者あてにお送りします。

一文目が依頼、二文目が背景、三文目が一覧の送付です。内容はもとの文と同じで、担当者はまず自分のすることを知り、それから理由を読めます。

どの文を先頭に置くかは、受け取る人が最初に聞きたいことで決めます。お知らせなら決まったこと、依頼なら相手にしてほしいこと、報告なら結果。「で、どうなったの」と聞かれそうな答えを先頭に置く、と考えると迷いにくいです。

依頼文では、してほしいことが文末に沈みやすいので、もう一例。

経費精算の運用が変わることにともない、新しい申請先のフォルダがこれまでと異なりますので、6月2日までに各自のブックマークの登録先を変更しておいてください。

丁寧な文ですが、読んでいる人は理由を抱えたまま、文末の「変更しておいてください」を待ちます。期限と行動を先に出すと、こうなります。

6月2日までに、各自のブックマークの登録先を変更しておいてください。経費精算の運用が変わり、新しい申請先のフォルダがこれまでと異なるためです。

中心を先に渡して、理由や条件はあとから添える。 先に用件を言い切ると冷たく見えないかと心配になりますが、理由がすぐ後ろに続いていれば、ぶっきらぼうには読まれないものです。むしろ理由を長々と先に置いた依頼のほうが、何を頼まれているのか分からないまま読まされるので、相手には負担です。

分けたあと、近いものは戻す

述語ごとに分けると、今度は短い文が並んでぶつ切りに感じることがあります。「研修は来週月曜から始まります。会場は3階の会議室です。開始は午後2時を予定しています」と刻むより、関係の近いものは「研修は来週月曜の午後2時から、3階の会議室で行います」とひとまとめにしたほうが自然です。日時と場所のように一つの出来事を説明する情報は、分けても得るものがありません。一文に入れられる量は、字数ではなく、情報どうしの近さで決まります。 いったん分けてから、近いものだけ戻す。この二段階で見ると、どこが役割の境目だったかが分かります。

逆に、長くてもそのままでよい文もあります。主語と述語が見えていて、途中の説明が一方向に進む文です。「この制度は、昨年の社員アンケートで要望の多かった、部署をまたぐ受講を認めるために作られました」は60字近くありますが、中心の述語は「作られました」の一つで、迷わず読めます。長いというだけで切る必要はないと思います。

明日、長いお知らせを書くことになったら、送る前に一度だけ、文末から述語を拾ってみてください。四つあれば、受け取る人が最初に聞きたいことを先頭に出し、残りを順に並べる。そこまでやれば、相手が「で、何をすればいいのか」と探す時間はなくなります。

出す前に、さっと校正

「この使い方、合っているかな」と迷ったら、書いた文章をLINTOに貼って校正してみてください。誤字や表記のゆれ、読みにくい言い回しまで、無料でまとめて見直せます。メールを送る前、記事を公開する前、SNSに投稿する前のひと確認に、どうぞお役立てください。

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