間違えやすい日本語 / 第41回
「一同に集まる」と「一堂に集まる」はどちら?
一つの場所に人が集まる意味なら、「一同に集まる」ではなく「一堂に集まる」です。「一堂」は場所、「一同」はそこにいる人や関係者の全員を指します。
「各地の代表が一同に集まりました」と書いたら、「各地の代表が一堂に集まりました」に直せます。ただし、「一同が集まりました」は別です。こちらは「全員が集まった」という文なので、「一同」が使えます。
「一堂に」は同じ場所に集まること
漢字ペディアの「一堂」には、一つの建物や場所という意味が載っています。「卒業生が一堂に会する」「各地の生産者が一堂に集まる」のように使います。
「堂」の字が入っていても、特定の講堂や建物の中に限る表現ではありません。屋外の会場で集まった場合にも、同じ場所に集まる意味で使えます。「全国の出店者が一堂に集まる催し」と書けば、各地から集まる規模や顔ぶれに目が向きます。
一方、単に集合場所を知らせるなら、「午前9時に受付前へお集まりください」で十分です。「一堂にお集まりください」とすると、集合の指示としては少し大げさな響きになることがあります。
「一同」は人を指すので「一同が」「一同で」
漢字ペディアの「一同」は、その場にいる人すべてや、組織・仲間に加わる全員と説明しています。集まる場所を指しているわけではありません。
参加者一同が会場に集まりました。
卒業生一同で記念品を贈りました。
職員一同、ご来場をお待ちしております。
この三つは、いずれも「一同」で書けます。「職員一堂」としてしまうと、職員全員という意味になりません。
案内状の差出人を「幹事一同」とするのも、幹事全員の名義ということです。ただし、特定の一人の意見を「一同の意見」とすると、全員に共通する考えのように読まれます。表記とともに、指している人の範囲も確かめます。
「全員」と「同じ場所」を重ねて書く必要はあるか
「関係者一同が一堂に集まった」は、語の使い方としては成り立ちます。「全員が」と「同じ場所に」をそれぞれ表しているからです。ただ、同じ音が続いて読みづらく感じるなら、「関係者が一堂に集まった」「関係者全員が会場に集まった」と直せます。
活動報告の写真に添える一文なら、「卒業生30人が母校に集まりました」のように、人数や場所を直接書く方法もあります。