間違えやすい日本語 / 第42回
「努める」「務める」「勤める」の違いは?司会や役職の正しい書き方
司会や委員長などの役目は「務める」、勤務先で働くことは「勤める」、目標に向けて努力することは「努める」です。「司会をつとめる」は「司会を務める」と書きます。
「支店長をつとめる」も、役職について述べるので「務める」です。一方、「その銀行につとめる」なら、勤務先を示しているので「勤める」になります。同じ人の経歴でも、どこで働くかと、何を担当するかで漢字が変わります。
役目を担う「務める」と働く「勤める」
文化庁が公表している「異字同訓」の漢字の使い分け例では、「務める」を役目や任務を受け持つこと、「勤める」を給料をもらって仕事をすることなどとして区別しています。
| 書きたい内容 | 例文 |
|---|---|
| 担当する役目 | 本日の司会を務めます。 |
| 就いている役職 | 地域の自治会長を務めています。 |
| 働いている場所 | 市内の出版社に勤めています。 |
| 力を尽くすこと | 分かりやすい案内に努めます。 |
役職でも「勤める」だと思いたくなりますが、「会長を務める」「理事を務める」が目安です。役目を引き受ける意味の「務める」は、報酬がある仕事にも、無償の担当にも使えます。
また、「会社に勤めながら、休日は子ども会の会長を務めています」という一文では、二つの漢字が自然に同居します。表記揺れとしてどちらかに統一する必要はありません。
「努める」は達成に向けて力を尽くすこと
同じ文化庁の資料では、「努める」は力を尽くし、努力することとされています。「安全確保に努める」「問題の解決に努める」のように使います。
就任の挨拶なら、「会長を務めるにあたり、円滑な運営に努めます」と書けます。前半は引き受けた役目、後半は努力する内容です。「務める」と「努める」を分けることで、何を担当し、何を目指すのかが伝わります。
「を」のあとなら必ず「務める」、「に」のあとなら必ず「勤める」という判定はできません。「改善に努める」も「出版社に勤める」も、「に」を使います。直前の助詞より、文が表す意味を見ます。
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