間違えやすい日本語 / 第15回
「違和感を感じる」は重複表現?誤りとされる理由と言い換え
「違和感を感じる」は「感」が重なるため、重複表現として取り上げられます。それでも、重なりがあることと、日本語として誤っていることは同じではありません。 そのまま使える表現です。文字の繰り返しが気になる文章では、「違和感がある」「違和感を覚える」と書き換えられます。
例えば「この説明に違和感を感じた」と書いて、意図が伝わらなくなることは通常ありません。「誤用だから全部直さなくては」と考える必要はないのです。
なぜ「違和感を感じる」が重複だと言われる?
「違和感」は、しっくりこない感じや、ちぐはぐな感じを表します。その語の中にすでに「感じ」が含まれているため、さらに「感じる」を続けると二重になる、というのがよくある指摘です。
ただ、「満足感を感じる」「危機感が感じられない」のように、「感」の付く名詞と「感じる」を組み合わせる言い方はほかにもあります。字が同じだという理由だけで、全てを不適切とすることはできません。
毎日新聞校閲センターによる解説は、『明鏡国語辞典』第3版が「違和感を感じる」を不適切な重言には含めていないことや、『三省堂国語辞典』第8版が、同様の言い方が従来からあると説明していることを紹介しています。
「違和感がある」に直すと何が変わる?
書き換えるなら、次の二つが使いやすい形です。
この説明には違和感がある。
この説明を聞いて、違和感を覚えた。
前者は今の判断を簡潔に示し、後者は聞いたときにそう感じたことを述べています。「感じた」を「覚えた」に替えても、基本的な意味を大きく変えることはありません。「覚える」の方が感覚として必ず弱い、などと順位を付ける必要もありません。
同じ解説の続きでは、新聞で使う際は冗長さに配慮して避ける立場を示しつつ、一律に誤用とは断定しないとしています。文章の読みやすさのために整えることと、間違いを訂正することを分けた判断です。
意見を伝えるなら違和感の中身も添える
表現を「違和感がある」に直しても、それだけでは何が気になったのかは伝わりません。
「この説明には違和感がある。前半では全員が対象とされているのに、後半では条件が付いている」と続ければ、確認してほしい点が分かります。言い回しを短くするだけでなく、その違和感がどこから来たのかを書くと、相手も返事をしやすくなります。