間違えやすい日本語 / 第62回
「過半数を超える」はおかしい?数字は合っていても迷う言い方
100人のうち51人が賛成したなら、賛成は過半数です。ここを「過半数を超えた」と書くと、「超える」が二重になっているのでは、と迷うことがあります。
単に半分より多いと伝えるなら、「半数を超える」または「過半数に達する」と書けます。
50人では過半数にならない
「過半数」は半数を超える数です。ちょうど半数は含みません。100人を基準にすると、次の違いがあります。
| 賛成した人数 | 言えること |
|---|---|
| 50人 | 半数に達した |
| 51人 | 半数を超えた/過半数に達した |
| 60人 | 半数を超えた/過半数を確保した |
これは言葉と数の関係を示した例で、実際の投票制度の基準を説明するものではありません。何人を全体として数えているかが変われば、過半数の人数も変わります。
「過半数を超える」が使われる場合もある
毎日新聞校閲センターの解説では、新聞では重複表現として直す一方、過半数を一つの到達点として捉える使い方も検討されています。
たとえば「過半数に必要な51人を超え、60人が賛成した」なら、51という具体的な数を超えたことが明確です。これを省いて「過半数を超えた」とすると、単に半分を超えた話なのか、必要人数をさらに上回った話なのかが曖昧になります。
数字を示せるなら「賛成は60人で、全体の半数を上回った」と書くと整理できます。「過半数以上」という表現にも同じ迷いがあるため、どこを境目にするかを具体的にするとよいでしょう。
重複しているから内容まで必ず誤りになるわけではありません。それでも、正確な数を伝えたい文では、「半分より多い」と「ある人数を上回った」を分けて書く方が、読み手も確かめやすくなります。
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