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LINTO日本語の校正と推敲

読めそうで読めない漢字 / 第84回

「闊達」は「かったつ」。明るい性格だけを褒める言葉?

「闊達」は「かったつ」と読みます。度量が広く、小さなことにこだわらない様子を表します。人柄を褒めるときや、「自由闊達な議論」のように、のびのびと意見を交わす場を表すときに使う言葉です。

明るく元気な性格とは重なりますが、それだけが意味ではありません。「闊達」のポイントは、声の大きさや陽気さよりも、心の広さとこだわりのなさです。

「闊達」は「かつたつ」ではなく「かったつ」

「闊」の音読みは「カツ」ですが、この熟語では「かったつ」となります。「闊」には広いという意味があり、「闊達」は狭いことにとらわれない様子を表します。同じ意味で「豁達」と書くこともあります。

「闊達な人柄」「闊達に語り合う」「自由闊達な気風」などが自然な形です。「自由闊達」は、考えや行動がのびやかで、小さなことに縛られない様子を表します。単に規則がない、好き勝手に行動するという意味ではありません。

「新しい店主は闊達な人柄で、異なる意見にもまず耳を傾ける」。この例では、相手の意見を受け止める度量に目を向けています。「いつも笑顔で元気に挨拶する」と続けることもできますが、その明るさだけが「闊達」の根拠になるわけではありません。

「活発」「快活」との違いを場面で考える

「活発」は、動きや働きが盛んなことです。「活発な議論」なら、多くの発言があり、議論がよく動いていると分かります。ただし、発言が盛んでも、特定の意見しか認めない場はあり得ます。

「闊達な議論」では、率直に話せることや、細かな立場の違いに縛られないことが前に出ます。発言の数を数えるより、どのように意見が交わされているかに注目した表現です。

「快活」は、明るく元気な様子です。静かな人でも度量の広さを感じさせれば「闊達な人柄」と書けますし、快活な人がいつでも異論を受け入れるとは限りません。三つの語は併用できますが、完全な同義語ではないのです。

「自由闊達な議論」を具体的に描く

「年齢や経験に関係なく、自由闊達に意見を交わした」。よく見る使い方ですが、これだけでは場の雰囲気が少し抽象的です。「新人が出した案にも質問が集まり、その場で試すことになった」と続けば、率直な提案が受け止められた様子が伝わります。

「賛成意見ばかりだったので、自由闊達な会議になった」と書くと、少し考え直す余地があります。全員が納得していた可能性もありますが、異論を言いにくかった可能性もあり、意見の一致だけでは自由さの証拠になりません。

また、相手の話を遮って自説を押し通すことは、発言が多くても「自由闊達」のよさとは別です。「互いの意見を聞きながら、遠慮なく疑問を出せた」と書けば、自由さと対話が両立した場を説明できます。

人物紹介では小さな振る舞いを添える

「彼女の闊達さに助けられた」だけでは、読み手には何が起きたのか分かりません。「こちらの言い間違いを笑って受け流し、話を先に進めてくれた」と続けると、細事にこだわらない人柄が見えてきます。

もちろん、何でも気にしないことを褒める語ではありません。「闊達だから細かな確認は不要」という使い方では、人柄と必要な確認作業が混ざってしまいます。確認は丁寧に行いながら、意見の違いには寛容である、という人物像も自然です。

「闊達」は、硬い印象の漢字で、のびやかな人柄を表す言葉です。人物紹介に使うなら、明るさを重ねて書くだけでなく、違う考えを受け止めた場面や、小さな失敗にこだわらなかった場面を選ぶと、その人ならではの魅力が伝わります。

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