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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第118回

「お言葉ですが」はけんか腰?反対意見を丁寧に伝えるには

「お言葉ですが」は、相手の発言に異議や反論を述べるときの前置きです。敬意を添えていますが、その後に反対意見が続くことを予告するため、緊張感のある響きになる場合があります。

上司に使ってはいけない表現ではありません。ただ、単なる聞き違いの確認や情報の補足なら、「一点確認させてください」「補足してもよろしいでしょうか」と、目的に合う前置きも選べます。

はっきり異議を述べるときに使う

お言葉ですが、その日程では準備が間に合いません。搬入に二日必要なため、開始日を一日遅らせる案をご相談したいです。

相手の提案へ反対し、理由と代案を示した例です。「お言葉ですが、それは無理です」だけより、何が障害で、どう変えられるかが分かります。

「お言葉ですが」は、反対を完全に隠す語ではありません。異議を曖昧にしすぎると困る場面では役立ちますが、軽い補足にも毎回使うと、何度も対立しているように聞こえることがあります。

また、前置きが丁寧でも、「そんなことも分からないのですか」と続ければ相手を責める文になります。発言の内容へ向けた意見と、相手本人への評価を混ぜないようにします。

聞き違いかもしれないなら確認から

一点確認させてください。今のお話は、全ての資料を金曜までに提出するという意味でしょうか。

まだ相手の意図が分からない場合の質問です。確認してみると、金曜に必要なのは一部だけということもあります。内容を確かめずに「お言葉ですが」と反論すると、そもそも対立していない話を対立にしてしまいます。

相手の説明を自分の言葉で短く言い直し、「この理解で合っていますか」と尋ねられます。ただし、相手の意見を極端な形に変えて確認しないようにします。

異議を述べたいのか、意味を確かめたいのかを分けると、前置きの強さを選びやすくなります。

事実の訂正は根拠を具体的に示す

相手が示した数字や日付が違っているなら、人格や能力に触れず、該当箇所を伝えられます。

日程の点で補足があります。昨日届いた確定通知では、開催日は18日となっています。こちらの通知をご確認いただけますか。

「お言葉ですが」を使わなくても、訂正の必要は伝わります。根拠が古い可能性もあるなら、「手元の資料では」と情報の範囲を示し、どちらが最新かを確認します。

確定した誤りを指摘するときにまで、「ひょっとすると」「気のせいかもしれませんが」を重ねる必要はありません。確かめた内容は明確に述べ、未確認の部分と分けます。

自分の説明が誤っていた場合は、「こちらの確認不足でした。失礼しました」と受け止められます。丁寧な反論の後でも、分かった事実に合わせて訂正できます。

同意できる点と別の意見を分ける

会場を広くする必要がある点は、同じ考えです。一方、今月中の移転は難しいため、開催日を変更する案も検討したいです。

目的には賛成だが方法に別の考えがある場合の例です。「おっしゃることは分かりますが」と全部を一度に受け止めるより、どこに同意しているか具体的です。

相手をなだめるためだけに同意を装う必要はありません。賛成していない点は、理由を添えて伝えられます。逆に、全体を否定しているように見えないよう、合う点と違う点を区別します。

「お言葉ですが」を使うなら、その後の文こそ大切です。反論したという事実だけで終えず、どの条件を見直したいのかを示せます。

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