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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第17回

「お含みおきください」はどんな知らせに使える?

「お含みおきください」は、事情や条件を知ったうえで、心に留めておいてほしいときに使う言い方です。後の判断に関わることを伝える文には合いますが、その場で返答や作業を求めるなら、してほしいことを別に書きます。

「お含みおきください」が合うお知らせ

次回の受付は2階で行います。今回とは場所が異なりますので、お含みおきください。

いま何かを提出してほしいわけではなく、次回来るときに覚えておいてほしいという案内です。小学館『デジタル大辞泉』は、「含み置く」を了解して心に留めることと説明しています。

「お含みおきください」そのものに、詳細を察してほしい、秘密にしてほしいという意味があるわけではありません。「事情をお含みおきください」だけでは、その事情が伝わっていなければ、何を覚えておくべきか分かりません。上の例では「次回は2階」と、必要な情報を先に示しています。

連絡する相手が上司でも取引先でも、判断に関わる条件を伝える場面はあります。目上だから必ず失礼という扱いより、押し付けにならない説明か、用件に合った表現かを確かめます。

「お含みおき」だけでは返答の依頼にならない

会場が変わりますので、お含みおきください。

この文を受け取った相手が、読んで予定を修正し、返信しないことは考えられます。送った側が「変更を了解したと返事がほしかった」と思っても、その依頼は文に出ていません。

返信が必要なら「変更後の会場をご確認のうえ、このメールにご返信ください」と書けます。出席できるかを知りたいなら、「新しい会場でもご出席は可能でしょうか」と、答えてほしいことを尋ねます。

また、日程そのものをこれから相談する段階で「変更しますので、お含みおきください」と書くと、一方的に決めた通知になります。相手の都合を聞く必要があるなら、最初から相談の文にします。

次回の受付場所は2階です。ご来場の際は、2階へお越しください。

行動が具体的に決まっているなら、このように書くこともできます。「お含みおきください」を堅く感じる場合の言い換えになりますが、「覚えておいてください」をそのまま丁寧な語へ替えた文とは、求める内容が少し違います。

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