正しい敬語 / 第18回
「ご一読ください」「ご高覧ください」「ご覧ください」は何を頼む言葉?
案内文を一通り読んでほしいなら「ご一読ください」。図や画面を見てほしいなら「ご覧ください」が使えます。「ご高覧ください」は、相手が見ることを改まっていう表現で、完成した冊子などを送る挨拶にも合います。
どれも、読んだ後に承認や返信をしてほしいことまで自動的には伝えません。「見る」「読む」の依頼と、その後にしてほしいことを分けて書くと、用件が明確になります。
「ご一読ください」は一通り読んでほしいとき
ご参加の前に、集合場所と持ち物の案内をご一読ください。
当日に必要な説明を、事前に読んでもらう文です。小学館『デジタル大辞泉』によると、「一読」は一度読むこと、一通り読むことを表します。一度しか読んではいけない、という回数制限ではありません。
ただし、細かな数字を照合してほしい資料に「ご一読ください」とだけ書くと、通して読めばよいのか、点検まで必要なのかが分かりません。「記載した金額と数量に相違がないか、ご確認ください」と、その作業を頼みます。
「ご高覧」と「ご覧」は見る相手への敬意を表す
辞書の「高覧」の項目には、相手の見る行為を敬っていう語とあります。「ご高覧」は、礼状や贈呈の挨拶など、改まった文で選べます。
| 送るものと目的 | 例文 |
|---|---|
| 集合場所の地図を見てもらう | 入口の位置は、添付の地図をご覧ください。 |
| 完成した冊子を贈る | 冊子が完成しましたので、お送りいたします。ご高覧いただけますと幸いです。 |
| 変更箇所を確かめてもらう | 赤字の変更箇所をご確認いただけますか。 |
「ご高覧」は必ず感想や評価を求める言葉ではありません。贈った冊子を読んでもらえるとうれしい、という挨拶に使えます。日々の連絡で画面のボタンを案内するなら、「右上をご覧ください」の方が用件に合うでしょう。
返答が必要なら読むだけで終わらせない
企画書への意見が必要な場合は、「ご一読のうえ、実施日程についてご意見をお聞かせください」と続けられます。承認が必要なら「この内容で進めてよいか、ご返信いただけますか」と尋ねます。
「ご高覧ください」をさらに丁寧な言葉に直しても、返信の要否は増えません。感想をもらいたいなら「特に第三章について、ご感想をお聞かせいただけますと幸いです」のように、読んでほしい部分と問いを添えられます。