正しい敬語 / 第6回
「ご査収ください」と「ご確認ください」の違いは?資料を送るときの使い分け
請求書を送るなら「請求書を添付いたします。ご査収ください」と書けます。企画案を読んで修正点を返してほしいなら、「内容をご確認のうえ、修正点をお知らせください」が合います。
「査収」は確認して受け取ること。「確認」は、何を確かめてほしいのかを広く指定できる言葉です。添付ファイルの有無だけで使い分けるわけではありません。
「ご査収ください」が合う送付メール
「査収」は、書類や品物などを調べたうえで受け取る意味です。小学館『デジタル大辞泉』でも、確認と受け取りの両方を含む語として説明されています。単にファイルが届いたかどうかを知らせてほしい、という意味ではありません。
9月分の請求書を添付いたします。ご査収のほど、よろしくお願いいたします。
送ったものの金額や内容を確かめて受け取ってほしいという文です。定型的な送付の挨拶として使えますが、請求書を添付したメールは必ずこの表現にしなければならない、という決まりはありません。
9月分の請求書を添付します。金額と明細をご確認ください。
確かめてほしい内容を直接示す、こちらの文も使えます。相手が「査収」に慣れているか分からない案内なら、「ご確認ください」の方が動作を伝えやすいでしょう。
企画案の修正や承認まで求める場合
企画案を添付しました。対象者の設定と実施日程をご確認のうえ、修正が必要な点を10月9日までにお知らせいただけますか。
確認する箇所と、その後にしてほしいことを示した例です。「ご査収ください」だけでは、受け取ればよいのか、感想がほしいのか、実施の承認を求めているのかが十分に伝わりません。
ただ「ご確認ください」に替えるだけでも、返信の要否は残ります。完成した資料の共有なら「ご確認ください。返信は不要です」。確認結果を待って次へ進むなら「修正点がない場合も、その旨をご返信いただけますか」と書けます。どちらも、確かめることと返事をすることを分けた文です。
「受け取ったら連絡ください」は別の依頼
大きなファイルを送り、まず到着だけ確認したいこともあります。
ファイルを受け取られましたら、受領のご連絡をお願いいたします。内容のご確認は来週で結構です。
「ご査収」を付ければ受領の返信まで自動的に頼める、とは考えない方が確実です。内容の確認を後回しにしてよい場合も、先に受領の返事だけ欲しいことを明示すると、待っている連絡が伝わります。