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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第7回

「させていただきます」と「いたします」はどちらを使えばいい?

「資料を発送させていただきます」と書きかけたなら、「資料を発送いたします」でも丁寧に伝わります。発送の予定を知らせるだけなら、許可を受けて行うことまで表す必要はないからです。

一方、相手から借りた資料を複写したい場面なら、「複写させていただいてもよろしいでしょうか」が使えます。行為を丁寧に伝える「いたします」と、許可を受けて行う気持ちを含む「させていただきます」を、用件に合わせて選びます。

許可を求めるときの「させていただく」

お借りした資料の該当部分を、複写させていただいてもよろしいでしょうか。

資料の所有者に認めてもらい、自分の調査に使う場面です。文化庁の「敬語おもしろ相談室」は、「させていただく」の基本的な用法を、相手や第三者の許可と、その行為による恩恵がある場合として説明しています。

ただし、「複写させていただきます」と宣言するだけでは、許可を尋ねた文にはなりません。まだ了承を得ていないなら、疑問形にして返答を待ちます。丁寧な形と、許可があることは別です。

発送の報告には「いたします」で足りる

ご依頼の資料を、本日発送いたします。

いつ何をするかを知らせる文です。「発送させていただきます」も使われますが、この場面で必ず長い形にする理由はありません。「いたします」へ替えても、丁寧さは保てます。

会議の発表も同様です。発表の機会をもらったことを意識して「発表させていただきます」と言うことはできます。進行に沿って説明を始めるだけなら、「調査結果を発表いたします」と短く始められます。

「させていただく」を一度使ったら、その後のすべての動詞を同じ形にそろえる必要はありません。「資料をお送りいたします。会議では要点をご説明します」と、それぞれの行為を普通に述べてよいのです。

休業のお知らせでは何を伝えたいか

設備点検のため、10月9日は休業いたします。ご不便をおかけし、申し訳ありません。

休業日、理由、利用者へのおわびが分かる例です。「休業させていただきます」が必ず誤りになるわけではありません。文化庁の解説も、許可や恩恵をどこまで読み取るかによって、受け止め方が異なるとしています。

それでも、お客さまが休業を許可するわけではない通知なら、「休業いたします」で用件を伝えられます。敬意を足そうとして「させていただく」を繰り返すより、休業の情報と、迷惑をかけることへの言葉をそれぞれ書く方が明確です。

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