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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第120回

「お言葉に甘えて」は図々しい?好意を受けるときの返事とお礼

「お言葉に甘えて」は、相手からの親切な申し出を、ありがたく受けるときの言葉です。「送っていきますよ」「期限は来週でも大丈夫です」と言われた後に使えます。好意を受けること自体が図々しいわけではありません。

大切なのは、相手が実際に申し出た範囲で受けることです。こちらが頼みたいことを、相手の許可があったように広げてしまわないようにします。

申し出を受ける返事に使う

ありがとうございます。それでは、お言葉に甘えて、駅まで乗せていただけますか。

駅まで送ると申し出てくれた相手への返事です。お礼と、受けたい内容を一緒に伝えています。「お言葉に甘えさせていただきます」と長くすることもありますが、「お言葉に甘えて」で十分に気持ちは伝わります。

会話なら、「ありがとうございます。では、お願いできますか」と短く答えても構いません。目上に使えるかだけでなく、相手が自分から申し出ていることかを確かめます。

相手の言葉が「何かあれば相談してください」という一般的な挨拶なら、その時点で具体的な作業まで引き受けてもらったわけではありません。「早速ですが、一点ご相談してもよろしいでしょうか」と新たに尋ねられます。

期限を延ばしてもらうとき

ご配慮ありがとうございます。お言葉に甘えて、提出を来週月曜までとさせてください。

月曜まで待てると相手が提案してくれた場合の文です。受けた内容を日付で明示すると、こちらが別の期限だと思っていたという行き違いを防げます。

「急がなくてよい」と言われただけなら、「来週月曜までお時間をいただいてもよろしいでしょうか」と具体的な期限を確認できます。「お言葉に甘えて、再来月にします」と大きく伸ばすのは、申し出の範囲を超える可能性があります。

相手が示した好意を受けるときも、日時や範囲は具体的に確認します。 ありがたい申し出ほど、どこまで許されるかを勝手に推測しないようにします。

招待を受ける場合は人数や条件も確認

お招きいただき、ありがとうございます。お言葉に甘えて、土曜日の午後に伺います。

日時が決まった招待への返事です。「皆さんで」と言われても、人数に限りがありそうなら、「家族3人で伺ってもよろしいでしょうか」と確かめられます。

食事に招かれた場合も、宿泊まで一緒に許可されたと受け取らないようにします。別のお願いがあるなら、「もう一点ご相談があります」と分けて尋ねます。

社交的な「また遊びに来てください」を受けて、予告なしに訪ねることは別です。「先日はお誘いいただき、ありがとうございました。来月、伺える日がありましたら教えていただけますか」と日程を相談できます。

好意を受けた後は具体的なお礼へ

今日は駅まで送っていただき、ありがとうございました。重い荷物があったので、とても助かりました。

実際にしてもらったことへのお礼です。受ける前の「お言葉に甘えて」を、行動の後も繰り返す必要はありません。

助けてもらった側から「また甘えさせてください」と軽く返すことはありますが、相手がいつも対応できると決め付けないようにします。次の依頼は、そのときの都合を改めて確認できます。

一方、受けるたびに「ご迷惑でしたよね」と何度も尋ねると、相手に否定する返事を求めてしまいます。申し出を受けた範囲を守り、終わった後に感謝を伝えれば、好意を過度に重くせずに受け取れます。

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