正しい敬語 / 第29回
「お世話になっております」は初めての相手にも使える?初回メールの挨拶
初めてメールを送る相手でも、会社同士に取引があれば「お世話になっております」は使えます。一方、これまで全く関わりのない相手には、「初めてご連絡いたします」と名乗ると、連絡の経緯が伝わりやすくなります。
初めて話す人なのか、会社としても初めて接点を持つ相手なのかを分けて考えます。
取引先の新しい担当者には挨拶と経緯を
面識がなくても、すでに自社とやり取りしている会社の人なら、「お世話になっております」で始めても不自然ではありません。担当者個人だけでなく、会社同士の関係を踏まえた挨拶だからです。
お世話になっております。青葉企画の佐藤と申します。弊社の鈴木から担当を引き継ぎ、今月より窓口を務めます。
この場合、相手が知りたいのは誰から何のために来たメールかです。挨拶の正誤だけに気を取られず、引き継いだ人の名前や担当範囲まで書くと、相手が経緯を確認しやすくなります。
一度会ったことがあるなら、「先日の説明会でご挨拶した、青葉企画の佐藤です」のように、その接点を伝える言い方もあります。
全く初めての連絡ならそのことを明示する
初めて問い合わせる施設に、「いつも大変お世話になっております」と書くのが気になるなら、無理に定型句を使う必要はありません。
初めてご連絡いたします。来月の会場利用について伺いたく、メールいたしました。青葉企画の佐藤と申します。
これで挨拶、用件、名乗りがそろいます。「突然のご連絡失礼いたします」も使えますが、相手が公開している窓口への通常の問い合わせで、過度にお詫びを重ねる必要はありません。
紹介を受けたなら、「山田様からご紹介いただき、ご連絡いたしました」と、その経緯を先に書けます。単に「はじめまして」とするより、受信した側が関係を把握しやすい文面になります。
「お世話」の実績がなければ必ず誤用?
「お世話になっております」は、直接助けてもらった事実へのお礼に限らず、やり取りの挨拶としても使われています。NHK放送文化研究所のことばのゆれ調査を扱った報告でも、それほど世話になっていない人に使う挨拶として調べられています。
そのため、個人的な面識がないという理由だけで誤用とは言えません。ただ、定型句が使えることと、相手に経緯が伝わることは別です。初回のメールでは、挨拶に続く一文で、自分が誰で、何について連絡したかを知らせます。