正しい敬語 / 第28回
「お疲れ様です」は目上や社外の人にも使える?
「お疲れ様です」は、上司への職場の挨拶にも使われます。「疲れをねぎらうのは上の立場の人だけだから、目上には失礼」と一律に避ける必要はありません。社外の相手に使う場合は、同じ仕事に関わっているか、どんな用件を伝えるかも関係します。
上司への「お疲れ様です」は職場の挨拶として使える
会議から戻った上司に「お疲れ様です。午後の資料を机に置いておきました」と声を掛ける。これは、相手の働きを採点する言葉というより、職場の挨拶です。
国立国語研究所の「ご苦労様とお疲れ様」は、この二つの言葉を立場の上下だけで分けることの限界を説明しています。「お疲れ様」は、職場での挨拶としても使われる表現です。
ただし、職場ごとの慣習や相手との距離はあります。普段「おはようございます」で始める場面なら、そのままで構いません。相手が目上だから必ず別の言葉に置き換える、という考え方をしなくてよいのです。
社外でも共同作業の相手なら使える場面がある
他社の担当者と一緒に催しを運営し、終了後に「本日はお疲れ様でした」と伝えるのは、共に仕事を終えた挨拶として理解しやすい場面です。そのうえで「受付の応援に入っていただき、ありがとうございました」と具体的なお礼を添えられます。
一方、初めて問い合わせる会社に「お疲れ様です」と書くと、社内の相手のような距離の近さが気になる場合があります。この場合は「初めてご連絡いたします」と名乗ったほうが、連絡の経緯に合います。取引のある相手なら「いつもお世話になっております」も選べます。
社内か社外かだけでなく、相手とどんなやり取りをしているかで挨拶を選びます。
自分のために動いてくれた人にはお礼を伝える
急ぎの書類を届けてもらったとき、「お疲れ様です」だけでは、何に感謝しているかは伝わりにくくなります。「お届けいただき、ありがとうございます」と伝えるほうが、その働きへの感謝が明確です。
「お疲れ様でした」と「ありがとうございました」は、どちらか一方に決めなくても構いません。共同作業をねぎらう挨拶と、自分が受けた助力へのお礼は、続けて使えます。
逆に、単なる連絡のたびに大げさなお礼を加える必要もありません。いつもの社内連絡なら「お疲れ様です。明日の会議は10時開始です」で用件が伝わります。挨拶を難しく考えすぎず、感謝が必要な場面では、その内容を一言足します。