読めそうで読めない漢字 / 第15回
「凡そ」は「ぼんそ」?「約」だけでは説明できない意味も
「駅まで凡そ10分」の「凡そ」は「およそ」です。およそ10分なら約10分。ここまでは分かりやすいのですが、「二人はおよそ似ていない」では、同じ意味で読めません。
「およそ」は「約」だけではない
「凡そ」には、大まかな数量を表す意味と、否定を強めて「まったく」を表す意味があります。 「およそ似ていない」は、大体似ていないという中途半端な判断ではなく、まるで似ていないということです。
| 文 | この文での意味 |
|---|---|
| およそ30人が集まった | 約30人 |
| およその事情は分かった | 大まかな事情 |
| 実物とはおよそ似ていない | まったく似ていない |
数量が続くか、否定が続くかで意味が変わるため、「凡そ」を見たらすべて「約」に置き換えると読めなくなります。「凡そ見当がつかない」も、まったく見当がつかないという意味です。
「凡そ人は」の少し改まった使い方
「凡そ人は、経験したことを基に判断する」のように、一般論を述べる使い方もあります。この場合は「一般に」「総じて」に近く、人数のおおよそを数えているのではありません。
「凡」には、おおかた、すべてにわたってという意味があります。「凡人」の普通という意味だけで考えると難しい読みですが、「大まかに全体を捉える」使い方とのつながりを知ると、語の範囲が見えてきます。
自分で書くなら「およそ」の平仮名でも自然です。数の文章では「およそ約30人」のように、同じ役割の語を重ねないようにするとすっきりします。一方、「およそ似ていない」の「およそ」を削ると、否定の強さが変わります。余分かどうかも、何を表しているかを読んでから判断する必要があります。
参考:Precious.jp
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