本文へ移動
LINTO日本語の校正と推敲

読めそうで読めない漢字 / 第14回

「具に説明する」は「ぐに」?一文字に隠れた意外な読み方

「経緯を具に説明した」。道具の「具」ですが、「ぐに」ではありません。「具に」は「つぶさに」と読み、細部まで詳しく、漏らさずという意味です。

「つぶさに」は耳にしたことがあっても、一字でこう書くとは結び付きにくいかもしれません。「備に」と書くこともあります。

「具」の字にある「そろう」の意味

「具」は物や道具を表すだけでなく、必要なものがそろう、備わるという意味も持ちます。「つぶさに」が細部にわたる様子を表すのは、抜けなくそろっているという字義とつながります。

現場を何度も訪ね、工事の進み具合をつぶさに観察した。

ざっと一度見るのではなく、細かな変化まで注意を向けたことが伝わります。「つぶさに語る」「つぶさに記録する」にも、全体を大まかに済ませない意味があります。

「旅の様子をつぶさに聞いた」とあれば、訪れた場所の名前だけでなく、道中の出来事や細かな様子まで聞いたのでしょう。「具に」の二文字が、話の密度を伝えています。

「詳らか」は「つまびらか」

近い意味の「詳らか」は「つまびらか」と読みます。こちらは、細かな事情まで明らかな様子を表します。「経緯がつまびらかになった」なら事情が明らかになったこと。「つぶさに調べた」なら調べる行為が細部に及んだことです。

「つぶさに」は「見る」「調べる」「聞く」といった行為に添えやすく、「つまびらか」は明らかな状態についても使えます。重なる場面はありますが、すべての文をそのまま置き換える必要はありません。

普通の報告なら「詳しく調べた」で足りる場合もあります。どこまで細かく見たのかを強調したいとき、「つぶさに」は候補になります。漢字にすると読みにくいと感じたら、平仮名のまま使っても意味は損なわれません。

参考:Precious.jp

自分の文章を校正する登録なしで200文字まで無料で使えます。
すべてのコラムを見る