読めそうで読めない漢字 / 第13回
「慮る」は「おもんぱかる」?「おもんばかる」?迷う読みを整理
「相手の事情を慮る」を音読するとき、「ぱ」と「ば」で迷うことがあります。「おもんぱかる」も「おもんばかる」も辞書に載る読みです。 片方を聞いただけで、読み間違いだと指摘する必要はありません。
『デジタル大辞泉』の「慮る」は、「おもんぱかる」を見出しにし、「おもんばかる」とも言うとしています。
「思いはかる」から生まれた読み
元になったのは「おもいはかる」という形です。よく考え、思い巡らせるという語が音を変え、「おもんぱかる」などになりました。「慮」の一字を長く読むのは、この日本語の語に漢字を当てているためです。
「慮」は「考慮」「配慮」「熟慮」にも使われます。考えるという意味が共通しているので、読み方は難しくても、字と語の意味は離れていません。
長旅の疲れを慮り、到着した日は予定を入れなかった。
相手が疲れている可能性を考えて、予定を決めたという文です。ただ事情を知っているのではなく、その事情を判断に含めているところに「慮る」が合います。
相手に合わせることだけを意味しない
「相手の事情を慮る」といっても、相手の希望をすべて受け入れることとは限りません。難しい事情を考えたうえで、別の案を出す場合にも使えます。
たとえば「遠方からの参加者の事情を慮り、終了時刻を早めた」なら、何をどう考えて行動したのかが分かります。「十分に慮りました」とだけ書くより、その後の対応が見える文です。
また、「慮れ」と命じると、相手に察することを強く求める言い方になります。必要な配慮が決まっている依頼では、「移動に時間がかかるため、開始を午後にしていただけますか」と具体的に言えます。読みの違いよりも、相手に何を求める文なのかが伝わり方を左右する場面です。
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