読めそうで読めない漢字 / 第26回
「早急」は「そうきゅう」だと間違い?二つの読みの関係
「早急にお願いします」を「そうきゅうに」と読んだら、「さっきゅうが正しい」と言われた。そんな場合でも、直ちに「そうきゅう」が間違いになるわけではありません。
「さっきゅう」と「そうきゅう」は、どちらも辞書に載る読みです。 『デジタル大辞泉』では両方に項目があり、同じ意味として扱っています。
「さっ」は「早速」にもある読み
「早」は「早朝」の「そう」のほか、「早速」の「さっ」とも読みます。「早急」は「早」と「急」が合わさり、非常に急ぐことを表す語です。「さっきゅう」は字から想像できない特別な読み、というわけではありません。
「そうきゅう」も、最近誰かが偶然読み間違えた形だけではありません。『精選版日本国語大辞典』には、明治期の用例が掲載されています。自分が学校などで一方を習った経験と、もう一方に使用の歴史があることは、分けて考えられます。
指定のある読み上げなら指定に従い、特に決まりがなければ、どちらかで統一して読めます。読みが変わることで「急ぎ具合」が変わる語ではありません。
「早急に」だけでは期限が決まらない
「早急にご回答ください」と書けば、急いでいることは伝わります。しかし、今日中なのか、今週中なのかは分かりません。
手配を確定するため、明日10月4日の正午までにご回答いただけますか。
こう書けば、相手は予定を見て対応できるか判断できます。早急という言葉を避ける必要はありませんが、切迫した依頼ほど、期限と理由を添えることが役立ちます。
読み方の問題と、頼み方の問題は別です。「さっきゅう」と正確に読んでも、いつまでに必要かは伝わりません。逆に「そうきゅう」を選んでも、期限の明確な依頼はきちんと成立します。
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