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LINTO日本語の校正と推敲

読めそうで読めない漢字 / 第5回

「設える」は何と読む?客を迎える空間を整える言葉

窓際に椅子を置き、そばの小机に花を飾る。そんな空間の整え方を「席を設える」と表せます。読みは「しつらえる」。その場所にふさわしく物を置いたり、設備を整えたりする言葉です。

「設え」は飾り付けだけではない

「設える」の名詞形は「設え(しつらえ)」です。茶室や旅館の紹介で見かけると特別な作法の名前に思えますが、茶道だけの用語ではありません。

庭を眺められるよう、縁側に二人分の席を設えた。

椅子を置く位置や過ごしやすさまで含め、その場を整えています。飾りがなくても使える表現です。「設」の字は「設置」「設備」にも使われます。「しつらえる」も、必要な物を設けて場を整えることと結び付けると覚えやすくなります。

一方、単に会合の予定を確保したという意味の「席を設ける」は、「席を設える」とまったく同じではありません。「話し合いの席を設けた」なら機会を作ったこと、「会場に席を設えた」なら具体的な場所を整えたことが前に出ます。

「誂える」は注文して作らせること

「しつらえる」と音が似ているのが「誂える(あつらえる)」です。「着物を誂える」なら、自分の希望に合わせて注文して作ってもらうこと。部屋の物を配置することとは違います。

誂えたカーテンを掛け、客室を設えた。

この文では、カーテンは注文して作り、客室はそのカーテンなどで整えています。同じ場面に二語が出てきても、行為を分けて読めます。

紹介文に使うなら「季節に合わせた設え」の一言で済ませず、「窓辺に秋の草花を生けた」など、何が整えられているかも書くと様子が伝わります。読みを覚えたからと難しい語に置き換えるより、目の前の空間に合うときに使いたい言葉です。

参考:Precious.jp

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