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LINTO日本語の校正と推敲

読めそうで読めない漢字 / 第6回

「誂え向き」は何と読む?ぴったりの場面で使いたい一言

買ってきた棚が、部屋の空いた場所にぴたりと収まった。「この隙間に誂え向きだ」と言いたくなる場面です。「誂え向き」は「あつらえむき」と読み、注文したかのように条件や希望に合うことを表します。

注文していなくても「誂え向き」

「誂える」は、希望を伝えて作ってもらうことです。「誂え向き」はそこから、実際に注文した物でなくても、まるで自分のために用意されたように合う場合に使います。

風が弱く、写真撮影にはお誂え向きの朝になった。

天気は注文できません。それでも、望んでいた条件に合えば「お誂え向き」です。「向き」には、ある目的に適しているという意味があります。単に偶然だったというより、目的との相性を述べる語です。

「誂向き」と書かれることもありますが、「誂え向き」なら元の動詞とのつながりが見えます。「お誂え向き」の「お」は、必ず付けるものではありません。これを付けただけで、相手を敬う表現になるわけでもありません。

「あなたにお誂え向き」は褒め言葉になる?

「この役はあなたにお誂え向きです」なら、得意分野に合うという評価として使えます。しかし、「面倒な仕事は君にお誂え向きだね」では、押し付けや皮肉に聞こえかねません。何に適していると言うのかで印象が変わります。

人を評価する場面では、「細かな調整が得意なあなたにお願いしたい」と理由まで示す方が、任せたい気持ちが伝わります。物や天気に使う場合より、人には受け止め方の幅があるためです。

「しつらえる(設える)」との混同にも注意したいところです。「撮影のために場所を設える」は人が場所を整えること。「撮影に誂え向きの場所」は、その場所が撮影の条件によく合うことです。整える行為なのか、合っているという評価なのかで使い分けられます。

参考:Precious.jp

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