正しい敬語 / 第101回
招待状の「ご出席」はそのまま返していい?出欠を伝える敬語
招待状の返信は、自分が出席することを伝えるので、文章では「出席します」「出席いたします」と書けます。「ご出席いたします」と、自分の出席に相手向けの「ご」を付ける必要はありません。
紙の返信はがきでは、自分に向けて印刷された「御」「ご」「芳」などを消して返す慣習があります。ただ、返信フォームの項目名まで修正する話とは別です。紙と画面の違いを踏まえ、まず出欠が明確に伝わるようにします。
返信はがきでは自分への敬称を整える
「御出席・御欠席」の二択なら、出席する側を選び、選んだ「御」を二重線で消すのが一般的です。出席しない選択肢も消して、どちらかを分かるようにします。
「御芳名」なら「御芳」、「御住所」なら「御」を消す扱いがあります。送り手がこちらを丁寧に扱うために付けた字を、自分から返す文として整えるものです。
相手の宛名に「行」「宛」が印刷されていれば、「様」や「御中」に直す慣習もあります。個人なら様、組織なら御中と、宛先に合わせます。複雑な装飾をすることより、相手の名前、出欠、必要な連絡先を読みやすく書くことが大切です。
メールならお礼と出欠を短く伝える
ご招待ありがとうございます。10月20日の懇親会に、出席いたします。皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
招待への感謝と、どの会へ参加するかが分かる返信です。「喜んで出席させていただきます」も、招待を受けた会に参加する場面なら使えます。単純な「出席いたします」が失礼になるわけではありません。
複数の日程がある招待には、日付を入れると行き違いを防げます。二人で招かれた場合も、「二人とも出席いたします」「山田花子のみ出席いたします」と、人数が分かるように書きます。
返信の目的は、相手が出欠と人数を確定できることです。 丁寧なお礼だけを書き、参加するかどうかを曖昧にしないようにします。
欠席するときは理由を詳しく書きすぎない
お招きいただき、ありがとうございます。あいにく当日は先約があり、欠席いたします。会のご盛会をお祈りしております。
予定が合わない場合の例です。相手の会より別の予定を優先した理由を長く説明すると、比較しているように読まれる場合があります。伝える必要のある事情だけで構いません。
結婚などのお祝いの招待なら、「ご結婚おめでとうございます」と祝意を先に述べられます。「欠席します」だけの返事より、参加できなくても祝っていることが伝わります。
出席と返した後で行けなくなった場合は、「先日、出席とお返事した件ですが」と変更であることを明示し、準備への影響をおわびします。締切間際は、はがきだけに頼らず、指定された連絡先へ早く知らせる方が確実です。
未定ならいつ答えられるかを相談する
ご案内ありがとうございます。現在、日程を調整しています。出欠の回答を、来週月曜までお待ちいただけますか。
主催者が待てるかを尋ねる文です。こちらの都合だけで返信期限を延ばしたつもりにならず、承諾を得ます。期限までに決まらないなら、その旨を伝え、人数をどう扱えばよいか相談できます。
ウェブの出欠フォームでは、「ご出席」の表示を削ることは通常できません。そのまま選択しても、自分に敬語を使った文章を書いたこととは違います。自由記入欄に「出席いたします」と添え、必要事項を正確に送れれば問題ありません。