間違えやすい日本語 / 第37回
「体制」「態勢」「体勢」はどれ?「受け入れたいせい」の書き方
「来場者を迎える準備が整った」と書きたいなら、「受け入れ態勢が整った」が合います。「担当部署と人員配置を決めた」という話なら、「受け入れ体制を整えた」と書けます。「体制」は仕組みや組織、「態勢」は物事に対応する構え、「体勢」は体の姿勢です。
「受け入れたいせい」の変換候補を一つに固定する必要はありません。何を整えたのかによって、書き分けられます。
「受け入れ態勢」と「受け入れ体制」の違い
イベントの開催を前に、案内表示や受付、誘導の準備がそろったなら「来場者の受け入れ態勢が整いました」。相談窓口を新設して、各担当者が連携できる仕組みを作ったなら「相談の受け入れ体制を整備しました」です。
毎日新聞の校閲センターの説明では、統一された組織を指す「体制」と、物事に対して身構えた状態を指す「態勢」を区別しています。用例には「防災体制」や「受け入れ態勢」などが挙げられています。
「一時的なら態勢、長期的なら体制」と覚えると便利な場面はありますが、期間だけで決まるわけではありません。短期間だけ設ける組織にも「臨時の運営体制」と書けます。常に出動できる状態を保つ話なら「いつでも出動できる態勢」です。
「体勢を整える」は体の向きや姿勢を直すこと
転びそうになった人が踏みとどまる場面なら、「体勢を立て直した」です。「着地の体勢に入る」「低い体勢でボールを受ける」のように、体の姿勢について使います。
読売テレビの言葉の解説でも、「体勢」は体の姿勢として、ほかの二語と区別されています。受付の人員や準備の話を「受け入れ体勢」と書くと、意味がずれてしまいます。
「24時間たいせい」は何を説明するかで選べる
「24時間体制で相談を受け付けます」なら、交代勤務などで続けて対応する仕組みを伝える文です。「24時間、出動できる態勢を取っています」なら、いつでも動ける状態を表しています。
どちらを選ぶか迷ったら、「交代要員を配置した」のか、「すぐに出動できるよう準備した」のかを、そのまま続けて書いてみる方法があります。「体制を強化しました」だけより、「担当者を増やし、夜間も相談を受け付けます」のほうが、受け入れる側の変更も具体的に伝わります。