間違えやすい日本語 / 第65回
「当面の間」は余計な言葉?「当分の間」と迷ったとき
店頭の「当面の間、休業します」という貼り紙。「当面」だけで十分では、と気になるかもしれません。簡潔にするなら「当面、休業します」と書けますが、「当面の間」を一律に誤りとする必要はありません。
「当面」と「当分の間」は同じ期間?
「当面」は、差し当たり今のところ、という意味で使えます。「当分の間」は、しばらくの期間です。意味が重なる場面もありますが、何日から何日という固定の長さがそれぞれにあるわけではありません。
「当面は一人で担当する」と言えば、まず現在の対応を述べています。「当分の間は一人で担当する」なら、その状態がしばらく続くことに目が向きます。ただ、「当面なら一週間、当分なら一か月」といった換算はできません。
毎日新聞校閲センターの解説も、「当面の間」の使用と受け止め方を検討し、ことさらに問題視する必要はないとしています。用語を簡潔にする方針と、他人の文を誤用と断定することは別です。
休業のお知らせで本当に知りたいこと
読み手が知りたいのは、「の間」が余計かどうか以上に、いつまで休むかです。時期が決まっていれば、日付を示せます。
10月10日まで休業し、11日から営業を再開します。
まだ決まっていなければ、決まっていないことと、次にどこで知らせるかを書けます。
当面、休業します。再開日は決まり次第、このページでお知らせします。
この書き方なら、分からない終了日を無理に約束していません。「当分の間」に替えても終了日が自動で明確になるわけではないため、案内として必要な情報を別に添えることが大切です。
「当面の間」を直すなら、短くするためなのか、期間をはっきりさせるためなのかを分けます。前者は語を削れば済みますが、後者には日付や更新予定の説明が必要です。
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