正しい敬語 / 第107回
「よいお年を」はいつまで使う?年末の挨拶と自然な返し方
「よいお年を」は、年が明ける前に、新しい年をよい形で迎えてほしいと願う挨拶です。「よいお年をお迎えください」を短くした言い方として使われます。年内にもう会わない相手へ、別れ際に添えられます。
何月何日からという厳密な開始日があるわけではありません。年末の最後のやり取りかどうかが目安です。年が明けた後は、新年の挨拶や「本年もよろしくお願いいたします」に替えます。
年内最後の連絡に添える
本年もお世話になり、ありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。
取引先への年末の挨拶に使える文です。対面なら「今年もありがとうございました。よいお年を」と短く伝えられます。目上への連絡で改まった文にしたい場合は、「お迎えください」まで書くと整います。
まだ年内に会う予定があるなら、言ってはいけないということではありませんが、「次回もよろしくお願いします」と別の挨拶の方が場面に合います。12月の全てのメールに付けるより、最後のやり取りに添えれば自然です。
大みそかでも、新しい年を迎える前の挨拶として使えます。「31日は絶対に使えない」という決まりとして覚える必要はありません。地域や家庭の言い方に違いがある場合は、相手に合わせて構いません。
休業の案内と混ぜすぎない
年末のメールで、休業期間や最終受付の情報を伝えることもあります。挨拶に埋めず、必要な日付は別の文にします。
年内の受付は12月27日17時までです。新年は1月6日から営業いたします。本年もご利用いただき、ありがとうございました。よいお年をお迎えください。
この日付は例ですが、実際の案内では曜日も含めて確認します。「年末年始はお休みです」だけでは、いつまで連絡が取れるか分かりません。
休業中の返信を約束できないなら、「休業中もお気軽にご連絡ください」とだけ書かず、「休業中にいただいたお問い合わせは、1月6日以降に順次お返事します」と、返答の時期を示せます。
喪中の相手には気遣う挨拶も選べる
「よいお年を」は新年を祝う賀詞そのものとは異なりますが、身内を亡くした直後など、相手の状態に合うか迷う場合もあります。無理に使わず、今年のお礼や体調への気遣いで結べます。
今年もお世話になり、ありがとうございました。寒い日が続きますので、どうぞお体を大切にお過ごしください。
この文なら、明るい気持ちで新年を迎えることを求めずに挨拶できます。「来年こそはよい年に」と相手の一年を不幸だったと決めるような一言を加える必要もありません。
決まった挨拶を使うことより、その相手へ今伝えたいお礼や気遣いを優先できます。 相手がいつもどおり挨拶してくれた場合には、それを受け止めて返せばよく、喪中だからと機械的に会話を止める必要はありません。
「よいお年を」と言われたら
ありがとうございます。山田様も、どうぞよいお年をお迎えください。
同じ願いを返す自然な返事です。親しい人なら「ありがとう。よいお年を」で十分です。挨拶された順番や相手の年齢によって、使う資格が変わる言葉ではありません。
年が明けてから前のメールに返す場合は、その時点に合わせます。「昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします」と書けば、遅れて読んだ挨拶をそのまま繰り返さずに済みます。
海外の相手などで日付が違うことが分かっているなら、相手の時間に合わせた一言を選べます。挨拶の形よりも、送る時点と受け取る相手を見て書けることが大切です。