正しい敬語 / 第94回
「中座します」と「失礼します」は何が違う?会議を途中で抜ける伝え方
「中座します」は、会議や会食などの途中で席を外すときに使えます。「失礼します」だけより、会の途中で離れることを明確にする言葉です。
ただ、「中座」だけで何分後に戻るか、最後まで不在になるかは伝わりません。戻る予定、戻る時刻、進行に必要な引継ぎを、場面に応じて添えられます。
一時的に席を外すなら戻る見込みも
確認の電話が入ったため、少し中座します。5分ほどで戻る予定です。
短い離席の理由と見込みを伝える例です。「中座させていただきます」とすることもありますが、既に短い離席が認められる場なら「中座します」で丁寧に伝えられます。
話の中心になっている人が席を外すなら、「いったん休憩にしていただけますか」など、進め方の相談が必要なこともあります。一参加者として離れる場合は、「先に進めていただいて構いません」と言えるかも確認します。自分に進行の決定権がないのに、全員へ進めるよう命じる形は避けます。
戻る時間が読めないときは「すぐ戻ります」と言い切らず、「時間がかかる場合は、担当者へ連絡します」と実際にできることを伝えられます。
そのまま帰る場合は「退席します」と明示
この後の予定のため、本日はここで退席いたします。最後まで参加できず、申し訳ありません。
会議を終わりまで見届けられない場合の例です。担当箇所が済んでいて、退出が事前に共有されているなら、短く「予定どおり、ここで失礼します」と言うこともできます。
「中座」は途中で席を外すことを表しますが、相手が一時的な離席だと思う可能性があります。戻らない場合は「本日はここで」「このまま退出します」と添えると確実です。
途中で離れることと、戻るかどうかは分けて伝えると、その後の進行を待つべきか判断してもらえます。オンラインの会議でも、「接続を切ります」「音声だけで参加します」など、不在の範囲を明示できます。
理由を詳しく話したくないとき
通院や家族の事情など、会の参加者全員に詳しく話す必要のない理由もあります。
私用のため、15時に退席いたします。担当部分については、それまでにご説明します。
事情を詳しく述べなくても、何時から参加できないか、必要な用件をどう扱うかは伝えられます。「ちょっと事情がありまして」とだけぼかすより、時間や引継ぎを明確にした方が役立ちます。
相手の離席理由を尋ねる側も、「何の用事ですか」と詳細を求めるより、「お戻りになる予定はありますか」と進行に必要な点を確認できます。丁寧な尋ね方を選んでも、不要な私事まで説明してもらう必要はありません。
突然の体調不良などで長く説明できない場合は、「体調が優れないため、失礼します」と短く伝え、必要な連絡を後に回せます。
戻ったときのおわびは状況に合わせる
席を外した間、全員に待ってもらったなら、「お待たせしました。失礼いたしました」と戻ったことを知らせられます。会がそのまま進んでいたなら、話を遮って長く謝る必要はありません。
失礼いたしました。今の議題から参加します。確認が必要な点は、終了後に伺います。
不在中の説明を全員の前でもう一度求める前に、必要な範囲を確認した例です。自分の判断が求められているなら、「席を外していた間の決定事項を、一点だけ確認させてください」と絞って聞けます。
「中座しましたことを深くおわび申し上げます」と形式だけを重くするより、待たせたのか、引継ぎが途切れたのかを踏まえ、必要なおわびと確認を行えます。