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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第42回

「ご放念ください」は冷たい?謝られたときに使える返事・使いにくい返事

「ご放念ください」とだけ返事が来ると、話を打ち切られたように感じることがあるかもしれません。でも、この言葉自体が冷たいわけではありません。

「放念」は、気にかけないこと。相手の心配を解きたいときに使える、改まった言い方です。

謝っている相手には、気にしなくてよい理由を添える

相手が「返信が遅くなり、申し訳ありません」と謝ってきたとします。予定に支障がなければ、次のように返せます。

「まだ日程に余裕がありますので、どうぞご放念ください。ご確認いただき、ありがとうございました。」

「ご放念ください」だけの返信より、気にしなくてよい理由が見えます。普段のやり取りなら「お気になさらないでください」「こちらは問題ありません」でも自然です。

依頼を取り下げる場合にも使えます。「先ほどお願いした在庫確認は、こちらで解決しましたので、ご放念ください」と書けば、何を気にしなくてよいのかが明確です。

自分の落ち度を「ご放念ください」で終わらせない

自分が期限を守れなかったのに、「遅れて申し訳ありません。ご放念ください」と続けると、こちらから「もう気にしないで」と求める形になります。相手には、まだ困っていることがあるかもしれません。

この場合は「提出が遅れ、申し訳ありません。本日15時までにお送りします」と、謝罪と対応を伝えます。気にしなくてよいと言える立場か、まだ解決すべきことが残っていないかを確かめるのが大切です。

また、「返信不要」のつもりで文末に添えるのも曖昧です。返信しなくてよいなら「ご返信には及びません」と書く方が確実でしょう。

「ご放念ください」は、相手を安心させるための一言です。何から手を離してよいのかまで書けば、形式的に突き放すような印象を避けられます。

取り消した依頼を、どこまで止めてよいか

先ほどお願いした会場への確認は、こちらで済みましたので、ご放念ください。資料のご用意は、予定どおりお願いいたします。

依頼が複数あるときは、不要になったことを限定します。「先ほどの件はご放念ください」だけだと、まだ必要な作業まで取り消されたように読まれることがあります。

相手が既に動いている可能性も考えたいところです。「既にご確認を進めていただいておりましたら、申し訳ありません」と添える方法があります。実際に手配が終わっているなら、忘れてもらうだけでは済まないので、その後の扱いを別に相談します。

相手への敬意を強めたいからと、「何とぞご放念いただけますようお願い申し上げます」と必ず長くする必要はありません。止めてよい内容が分かることのほうが、相手の判断に役立ちます。

まだ確認が必要な点があるときの返し方

ご事情は承知しました。返信の時刻についてはお気になさらないでください。参加人数だけ、本日中にお知らせいただけますと助かります。

謝罪は受け止めても、必要な返事が残っている場合の例です。「ご放念ください」で全て終わったようにせず、気にしなくてよい点と、対応してほしい点を分けています。

反対に、相手から「先ほどの依頼はご放念ください」と来たら、「承知しました。確認は不要とのことで承りました」と返せます。何を取り消されたか確認できていれば、長いおわびや理由の追及は必要ありません。

改まった言葉が距離を感じさせそうなら、「もう解決しましたので、大丈夫です。お気に掛けてくださり、ありがとうございます」と書けます。難しい定型句を使うことより、相手が安心して手を止められる返事にすることが大切です。

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