正しい敬語 / 第67回
「ご丁寧にありがとうございます」は嫌味になる?伝わり方が変わる一文
「ご丁寧にありがとうございます」と返信したら、嫌味に取られないだろうか。心配になるかもしれませんが、この言葉は普通に感謝を伝えるために使えます。
相手が手間をかけて説明してくれた、細やかな気遣いをしてくれた。そうした丁寧な対応へのお礼です。
何がありがたかったかを一文添える
たとえば、道順を写真付きで教えてもらったなら、次のように返せます。
「ご丁寧にありがとうございます。入口の写真も添えていただいたので、迷わず伺えそうです。」
感謝の理由が具体的なので、皮肉とは読み取りにくい文です。「細かな点までご説明くださり、ありがとうございます。手順がよく分かりました」でも同じ気持ちを伝えられます。
「ご丁寧に」という語だけで嫌味が決まるわけではありません。相手との関係、前後の文、口頭なら声の調子によって、受け取られ方が変わります。
不要な対応を断りたいときは、感謝と依頼を分ける
同じ説明が何度も届き、これ以上は不要だと伝えたいとします。「ご丁寧にありがとうございます。もう分かっています」と書けば、前半まで皮肉に聞こえるかもしれません。
「追加のご説明をありがとうございます。必要な点は確認できましたので、以後のご連絡は変更があった場合のみで結構です。」
こちらは、受けた対応へのお礼と、今後の連絡についての希望を分けています。感謝を隠れた断り文句にせず、やめてほしいことがあれば別に伝えると誤解が減ります。
自分が受け取った一言についても、語だけから相手の本心を決めつけなくてよいでしょう。「ご丁寧にありがとうございます」とだけあれば、まずは通常のお礼として読めます。
気を使って言葉を長くするより、「助かったのはこの点です」と短く添える。その一文が、お礼の温度を伝えてくれます。
参考:用語の解説
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