読めそうで読めない漢字 / 第19回
「直向き」は「じかむき」?褒め言葉なのに漢字だと迷う一語
「直向きに練習する姿に励まされた」。ここは「ひたむき」と読みます。「じかむき」「ちょくむき」ではありません。「直向き」は、一つのことに一途に取り組む様子を表す言葉です。
「直」は「ひた」とも読む
「直」には「ひた」という読みがあります。「直隠し」なら「ひたかくし」、「直走る」なら「ひたはしる」。「直向き」も、この「ひた」に「向き」が続いています。
「ひた」は、もっぱらそのことをする様子を表します。「直隠し」はひたすら隠すことですから、「直」の字がある語はすべて褒め言葉だとは言えません。「直向き」がよい評価に使われやすいのは、一途に向き合う態度を評価する文脈があるためです。
客が少ない日も、ひたむきに稽古を重ねた。
観客数や目先の結果にかかわらず、稽古に向き合う様子を伝えています。能力の高さを直接褒めているのではなく、取り組み方を述べている文です。
「真面目」「一生懸命」とは何が違う?
「真面目」は、誠実でいい加減なことをしない様子にも使えます。「一生懸命」は、力を尽くすことに重点があります。「ひたむき」は、気持ちが一つの対象に向かっていることを描きます。意味は重なりますが、どこに目を向けるかが少し違います。
人を紹介する文章では「ひたむきな人です」だけで終えるより、「毎朝同じ基礎練習を続ける」など、そう感じた行動を添えると人物像が伝わります。ひたむきなら必ず成功する、という結果まで保証する語ではありません。
「器用ではないが、ひたむきだ」と言えば、手際よりも向き合う姿勢を評価しています。「ひたむきだから、すぐ上達する」とまでは限りません。結果がまだ出ていない人にも、その取り組みを認める言葉として使えます。
参考:Precious.jp
自分の文章を校正する登録なしで200文字まで無料で使えます。
すべてのコラムを見る