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LINTO日本語の校正と推敲

読めそうで読めない漢字 / 第2回

「強か」は褒め言葉?読めても迷う、しぶとさとずる賢さの境目

不利な状況でも勝ち筋を探す人を「あの人は強かだ」と評する。頼もしいという称賛にも、簡単には信用できないという警戒にも聞こえる言い方です。読みは「したたか」で、「つよか」ではありません。

「強か」は悪口とは限らない

「強か」の中心にあるのは、手ごわさや容易に屈しない強さです。 漢字ペディアでも、この強さを表す意味と、程度が激しい意味が示されています。

たとえば「何度敗れても立て直す強かなチーム」なら、しぶとさを評価しています。一方、「相手の弱みを探って交渉する強かな人」なら、抜け目のなさや計算高さが前に出ます。言葉自体を善悪のどちらかに固定するより、何をして強いのかを見る必要があります。

本人に「強かな方ですね」とだけ言うと、どちらの意味で受け取られるか分かりません。粘り強さを褒めたいなら「難しい状況でも諦めずに進めるところを尊敬しています」と、その行動を挙げる方が伝わります。

「強かに膝を打つ」の読みも同じ

暗い廊下で椅子につまずき、強かに膝を打った。

この「したたか」は人柄ではなく、打った程度の激しさです。膝を抜け目なく打つ、という意味ではありません。「したたかに酔う」も、ひどく酔うことを表します。

「強かな相手」と「強かに打つ」では、同じ読みでも文中の役割が違います。「強かに交渉する」のように両方の意味を考えたくなる文では、前後の様子まで読むことになります。

「強」の字から人の強さを想像できれば、読みを覚えた後の意味はつかみやすい語です。ただ、単純な褒め言葉として使うには、少し含みがあります。「頼もしい」「粘り強い」「抜け目がない」のどれを伝えたいのか、言い換えてみると選びやすくなります。

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