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LINTO日本語の校正と推敲

読めそうで読めない漢字 / 第39回

「間髪を入れず」は「かんぱつ」?区切る場所が読み方の鍵

「かんぱつをいれず」と一息で読みたくなる「間髪を入れず」。成り立ちに沿って読むなら、「かん、はつをいれず」です。「間」と「髪を入れず」の間に区切りがあります。

「間髪」という一つの物を入れない、という構造ではありません。

髪の毛一本を入れる隙間もない

『デジタル大辞泉』では「間髪を容れず」と表記され、少しの時間も置かない意味が示されています。もとは、間に髪の毛一本も入る余地がないことを表す言い方です。

ここで「髪」は「はつ」。標準的な読みを示す原稿では「かんはつをいれず」と振り仮名を付けられます。区切りを意識するために大きく間を空けて読む必要はありませんが、「かんぱつ」という熟語にまとめて考えないのがポイントです。

問いかけが終わると、彼女は間髪を入れず答えた。

質問から返答まで、ほとんど間がなかったという文です。答えが長いか短いか、正しいかどうかまで表してはいません。

「間一髪」は同じ意味ではない

「間一髪(かんいっぱつ)」は、危険などを免れるまでの差がごくわずかだった場合に使います。「間一髪で落下物を避けた」なら、ぎりぎり間に合ったことです。

これに対して、「間髪を入れず答えた」は返答の速さ。「間一髪で答えた」にすると、制限時間にぎりぎり間に合ったような別の場面になります。

同じ「間」と「髪」を使っていても、時間を置かないことと、危うく間に合うことは違います。「すかさず答えた」「すぐに答えた」と言い換えれば、前者の意味を保ちやすくなります。似た慣用句を並べるときは、読みだけでなく、何の時間差を表すのかも比べられます。

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