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LINTO日本語の校正と推敲

読めそうで読めない漢字 / 第38回

「他人事」は「たにんごと」?「ひとごと」?読みだけで意味は変わる?

「他人事ではない」を「たにんごとではない」と読むのは、必ず間違いなのでしょうか。伝統的な読みは「ひとごと」ですが、現在は「たにんごと」も辞書に載っています。

『デジタル大辞泉』は「たにんごと」の項目を設け、もとは「ひとごと」と読んだ語だと説明しています。昔からの読みと、現在使われる読みを区別した記載です。

「他人」を「ひと」と読む表記

「ひとごと」は、自分ではなく他の人に関することです。「人ごと」とも書けます。「人事」と漢字だけにすると、会社の「じんじ」と紛らわしくなります。

「他人事」という表記は、他の人のことだという意味を見せやすい一方、字面どおり「たにんごと」と読まれやすい形でもあります。読みの歴史については、辞書編集者によるJapanKnowledgeの解説で用例が紹介されています。ただし、表記から読みが生まれた経緯には推測も含まれています。

読みを一つに指定したい文章なら、「ひとごと」と書けば迷いを減らせます。漢字で書くなら、二つの読みがあることを踏まえておけます。

「他人事だ」と「他人事ではない」

同じ設備を使っているので、今回の故障はひとごとではない。

自分にも関係する問題だという文です。「ひとごと」「たにんごと」のどちらでも、その関係が逆になるわけではありません。

「他人事のような返事だった」と言えば、本来は関係があるはずなのに、無関心に見えたという批判が含まれます。本人が実際にどう考えていたかまで、語だけで確定できるわけではありません。

人の発言を記録する文章なら、「当事者なのに責任を感じていない」と断定する前に、何と言ったのかを具体的に示せます。読み方に幅があることと、言葉に込める評価の強さは、それぞれ確かめたい点です。

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