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LINTO日本語の校正と推敲

読めそうで読めない漢字 / 第33回

「御用達」は「ごようたし」だけが正解?意外と迷う読み分け

「この品は宮内庁御用達です」の「御用達」。読みは「ごようたし」だけだと思っていませんか。辞書には「ごようたつ」も載り、歴史的な用例では「ごようだち」も確認できます。

「ごようたつ」は必ず誤読というわけではない

『デジタル大辞泉』は、宮中や官庁などに用品を納める意味について、「ごようたし」のほか「ごようたつ」ともすると説明しています。同じページの『精選版日本国語大辞典』には、「ごようだち」の項目もあります。

読みを一つだけ覚えた経験から、ほかはすべて誤りだと決めると、辞書の扱いを狭めてしまいます。一般的な文章を読むなら「ごようたし」を選び、別の読みが出てきたら、文脈やその語の扱いを確認できます。

「御用」はここでは用命や必要とする仕事に関わります。「達」はそれを用立てることと結び付き、御用を務める商人を指す語としても使われてきました。

「地元の人御用達」は同じ意味?

店の紹介では「作家御用達の喫茶店」「登山客御用達の食堂」のような言い方も見かけます。ここでは、宮中や官庁に品物を納める話ではなく、その人たちがよく利用する店という意味です。

常連の登山客が多い食堂。

こう書けば、利用者の様子が具体的に分かります。「御用達」は短く印象を伝えられる一方、誰がどれほど利用しているかは曖昧なままになりやすい語です。

「著名人御用達」と書くなら、実際に利用している根拠が必要です。また「宮内庁御用達」の表示を見たときも、その語だけから現在の公的な認定制度があると結論付けることはできません。読み方の正しさと、紹介文の内容の確かさは別に確認する必要があります。

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