読めそうで読めない漢字 / 第37回
「流石」はなぜ「さすが」と読む?褒め言葉の漢字をたどる
「流石ですね」と書けば「さすがですね」。読みは分かっていても、なぜ流れる石で「さすが」になるのかは不思議です。「流石」は、一字ずつの音をつなぐのではなく、「さすが」という語に当てた表記です。
「漱石枕流」の話が由来だとされるけれど
よく紹介されるのは、中国の人物が「石を枕にし、流れで口をすすぐ」と言うつもりで、石と流れを逆にしてしまった故事です。指摘されると、耳を洗い、歯を磨くためだと言い返しました。その返答に「さすが」と感心したことから、この表記になったという説があります。
ただし、大修館書店の漢字文化資料館は、この説が確かかどうかは分からないと説明しています。面白い話であることと、表記の成立を裏付けることは別です。
そのため、「流石と書く理由はこれで完全に解決」とは言い切れません。故事と結び付ける説がある、と知っておくのが正確です。
「さすが」は褒めるときだけ?
「さすが経験者だ」は、予想や評判にたがわない働きに感心する言い方です。一方、「さすがに三日連続は疲れる」では称賛していません。その程度まで来ると、やはりそうなるという判断です。
いつも元気な彼も、さすがに今日は疲れている。
この文では、普段の様子を認めつつ、それでも今回は違うと述べています。「さすが」の後ろにどんな評価が続くかによって、働きが変わります。
人への褒め言葉なら、単に「さすがです」だけでなく「説明が具体的で、すぐに理解できました」と添えると、何に感心したかも伝わります。漢字の由来には未確定な部分があっても、目の前の文で相手の何を評価しているかは、具体的に書き表せます。
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