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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第92回

「お邪魔します」は会社でも使える?訪問から退出までの挨拶

「お邪魔します」は、相手の家や仕事の場へ入るときに使える挨拶です。本当に邪魔をする予定がある、迷惑な訪問だと認める言葉ではありません。相手の場所に入らせてもらう気持ちを表します。

会社を訪ねるときにも使えますが、受付で名乗る前から「お邪魔します」だけでは用件が分かりません。到着の連絡、入室の挨拶、退出のお礼を分けると自然に使えます。

家に上がるときの「お邪魔します」

ありがとうございます。お邪魔します。靴はこちらに置いてよろしいでしょうか。

中へ招かれた後の挨拶です。許可を受けてから入り、必要なら靴や荷物を置く場所を尋ねています。

玄関先で品物を渡すだけなら、家の中へ上がる前提で「お邪魔します」と進まず、「こちらをお届けに参りました」と用件を伝えられます。相手から「どうぞ」と言われても、時間がない場合は「ありがとうございます。今日はこの後予定がありますので、こちらで失礼します」と返せます。

訪問している間に別の部屋へ案内されたときは、「失礼します」と短く添えることもできます。一歩進むたびに挨拶を繰り返す必要はありません。

会社では名乗りと約束を先に伝える

14時に佐藤様とお約束しております、青葉社の山田です。

受付ではこのように、誰に会うために来たのかを示します。応接室へ案内されたところで、「失礼いたします」と入室できます。

親しい取引先の執務室へ顔を出すなら、「少しお邪魔してもよろしいですか」と都合を尋ねる言い方もあります。「お邪魔します」と言い切る場合は、入ってよい状況かを確かめます。

「お邪魔する」は、会社訪問に使うと失礼になる言葉ではありません。ただし、正式な到着報告や面会の申込みでは、「伺います」「訪問します」と目的を直接示す方が合うことがあります。

訪問先との関係に合わせて挨拶を選び、面会や入室の許可を挨拶だけで済ませないようにします。

長居したときは何へのお礼かを添える

長い時間お邪魔しました。作品を見せていただき、ありがとうございました。

訪問が長くなった場合、時間を使ってもらったことと、具体的なお礼を一緒に伝えられます。

ただ、予定していた打合せを行っただけなら、「長々とお邪魔して申し訳ありません」と過度に謝る必要はありません。「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」で十分です。相手が楽しく招いてくれたのに、訪問を迷惑だったことのように繰り返し扱うと、かえって「そんなことはありません」と返させる場合があります。

迷惑を掛けた事実があるなら、「終了予定を過ぎてしまい、申し訳ありません」と、その点を具体的に謝れます。訪問そのものと、時間を超えたことを分けて言う形です。

帰った後の連絡では具体的な場面へ戻る

訪問後のお礼メールは、「昨日はお邪魔しました」だけで終えず、何がありがたかったかを添えられます。

昨日は工房にお邪魔し、制作の様子を見せていただきありがとうございました。実際の工程を拝見し、展示の説明に必要な点がよく分かりました。

何でも「大変勉強になりました」と締めるより、訪問で得たことを具体的に伝えた文です。相手の話を勝手に広める約束にはせず、共有する必要がある内容は別途確認します。

招いた側から「またいらしてください」と返事が来たら、「ありがとうございます。また機会がありましたら伺います」と応じられます。社交的な招待の一言を、次回も予告なしで訪ねてよい許可とは受け取らず、日程はあらためて相談します。

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