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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第54回

メールで「御社」は間違い?「貴社」「弊社」「当社」の使い分け

メールに「御社のサービスについて」と書いたら、失礼なのでしょうか。「御社」は相手の会社を敬う言葉なので、書いた途端に無礼になるわけではありません。ただ、改まった文章では「貴社」を選ぶのが一般的です。

最初に確かめたいのは、話し言葉か書き言葉かより、誰の会社を指しているかです。

相手の会社は「御社・貴社」、自分の会社は「弊社・当社」

表現指す会社主な使い方
御社相手の会社会話で敬って言う
貴社相手の会社文章で敬って書く
弊社自分の会社へりくだって述べる
当社自分の会社自社として述べる

「弊社の製品を、貴社の店舗で取り扱っていただけますでしょうか」なら、作る側と販売する側が明確です。「弊社」と「貴社」を取り違えると、敬意以前に話の主体が変わってしまいます。

「御社」は会話、「貴社」は文章という慣行

電話なら「御社のご担当者様に伺いたいのですが」、問い合わせ文なら「貴社のサービスについてお尋ねします」と使い分けられます。

話し言葉で「貴社」と言うと「記者」「帰社」など同じ音の語もあるため、「御社」の方が聞き取りやすい場面があります。ただし、この慣行を根拠に、メール内の「御社」をすべて敬語の誤りと断定する必要はありません。

「当社」は、社内文書や自社の説明で自然に使えます。対外文書でも、方針を明確にする「当社では返品を受け付けています」のような文では選ばれます。「当社は社外で禁止」というわけではないのです。

会社の持ち主と、文章の役割を先に確かめる。そのうえで、相手にへりくだる連絡なら「弊社」、相手の会社への改まった記述なら「貴社」と整えると、無理なく使い分けられます。

参考:用語の解説

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