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LINTO日本語の校正と推敲

正しい敬語 / 第55回

「取り急ぎお礼まで」は失礼?短く返すときに省いてよいこと・悪いこと

届いた資料にすぐお礼を返したい。でも、中身の確認はまだ終わっていない。そんなときに使えるのが「取り急ぎお礼まで」です。

「取り急ぎ」は、ひとまず急いでという意味。短い連絡に合いますが、何を後回しにしているのかが分からないと、素っ気なく見える場合があります。

短くても、お礼の中身は書ける

「資料をお送りいただき、ありがとうございます。取り急ぎお礼まで。」

これは、まず感謝を伝える文です。普段からやり取りのある相手には、自然に使えることがあります。ただ、正式なお礼状や初めての相手への連絡で、あえて文を「まで」で切る必要はありません。

「資料をお送りいただき、ありがとうございます。まずは受領のお知らせとお礼を申し上げます。」

このように言い切れば、改まった相手にも送りやすくなります。目上かどうかだけでなく、その連絡にどの程度の改まりが必要かで選べます。

回答が必要なら「お礼まで」で止めない

相手が「内容を確認して、参加できるか教えてください」と頼んでいる場合、お礼だけでは用件が終わりません。

「ご案内をありがとうございます。日程を確認のうえ、明日中に参加可否をご連絡します。」

こう書けば、受け取ったことと、回答を待ってほしいことが同時に伝わります。急いで短く返す場合でも、次にいつ何を知らせるかは省かない方が親切です。

反対に、お礼だけで完了する用件なら、毎回「後ほど改めて」と約束する必要はありません。「早速お送りいただき、ありがとうございました」と、その場でお礼を述べれば十分です。

「取り急ぎ」を付けること自体が丁寧なのではなく、相手を待たせず必要な情報を返すことに意味があります。短くした分だけ、相手に推測を任せていないかを確かめてみてください。

会話の途中で送る短い返事

早速ご確認いただき、ありがとうございます。教えていただいた会場で準備を進めます。

やり取りが続いている場合は、この二文だけでも受け取ったことと感謝が伝わります。短い返事だからという理由で、「取り急ぎ」を毎回付ける必要はありません。

「取り急ぎ」と書くと、ひとまずの連絡である印象になります。今回の返事で用件が完了するなら、「ご対応ありがとうございました」と言い切るほうが、次の連絡があるかを相手が迷わずに済みます。

その日のうちに詳しい返事ができない場合は、「本日は受領のご連絡のみとなり恐縮ですが、明日、確認結果をお送りします」と範囲を示せます。単に忙しさを強調するより、相手が待てばよいものが分かります。

おわびを「取り急ぎ」で済ませてよいか

お送りした資料に誤りがあり、申し訳ありません。正しい版を添付しましたので、差し替えをお願いいたします。

自分のミスを知らせる場合は、おわびと具体的な対応を先に書きます。「取り急ぎ、おわびまで」だけでは、相手は届いた資料をどう扱うか判断できません。

詳細な調査がまだ終わっていない場合も、「判明した誤りは3ページの日時です。ほかの箇所についても確認し、午後3時までに結果をご連絡します」と、分かっている事実と次の連絡を分けられます。急ぐときほど、確かでない説明を言い切らないことが大切です。

後日改めてお礼を伝えるつもりなら、何について伝えたいのかも考えておきます。単なる定型句として「改めてご連絡します」と約束するより、すぐ返す一通で感謝が十分に伝わるなら、その場で丁寧に締めることもできます。

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