間違えやすい日本語 / 第69回
「ポイントを抑える」は合ってる?「押さえる」との使い分け
「説明のポイントを抑えた資料です」。大事なところをつかんでいると言いたいなら、「ポイントを押さえた資料です」と書きます。 ここは勢いを抑制するのではなく、要点を把握する意味です。
把握・確保は「押さえる」、抑制は「抑える」
毎日新聞校閲センターの解説では、物理的に押すことや確保することに「押さえる」、抑制することに「抑える」を使う整理が示されています。
| 表現 | 何をしているか |
|---|---|
| 要点を押さえる | 大切な部分を把握する |
| 会場を押さえる | 利用できるよう確保する |
| 紙を手で押さえる | 動かないようにする |
| 費用を抑える | 金額が増えすぎないようにする |
| 興奮を抑える | 気持ちの高ぶりを制御する |
送り仮名も違い、「押さえる」には「さ」があり、「抑える」にはありません。読みはどちらも「おさえる」なので、入力の変換候補だけでは選べません。
同じ「頭をおさえる」でも文脈が違う
「帽子が飛ばないよう、頭の上から押さえた」なら物理的な行為です。「若手の頭を抑える」のような文なら、活躍を制限する意味になります。体の部位があるから必ず「押」、気持ちの話だから必ず「抑」と決めるより、動詞の意味で判断します。
「相手の得点を抑える」は、点が増えるのを防ぐ意味です。もし「ポイント」が試合の得点を指すなら、「ポイントを抑える」が成り立つ文脈も考えられます。だから「ポイントを抑える」という文字列だけを、どの文でも誤字にすることはできません。
資料や説明の要点なら「押さえる」、数や勢いを低く保つなら「抑える」。何をどうしているかを短く言い換えてみると、同じ読みの二字を選び分けられます。
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