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LINTO日本語の校正と推敲

間違えやすい日本語 / 第74回

「責任を追求する」は合ってる?「追及」「追究」との違い

問題が起きたあとに、誰に責任があるのかを厳しく問う。その意味の「責任をついきゅうする」は、「追及」と書きます。「追求」ではありません。

同じ読みの三語は、いずれも深く関わったり、追い続けたりする言葉です。違いは、その先で何をしようとしているかにあります。

「追及」「追求」「追究」の使い分け

表記中心となる意味例
追及追い詰め、責任などを問いただす説明の矛盾を追及する
追求目的のものを手に入れようとする使いやすさを追求する
追究深く調べ、明らかにする原因を追究する

「利益を追求する」は、利益を求めること。「利益を追及する」とすると、何かを問い詰めるような表記になり、意図から離れてしまいます。

逆に、責任の所在を問いただす場面では「追及」です。「責任を追求する」を見たら、「求めている」のか「問いただしている」のかを確かめると、直す理由が分かります。

「真相」や「原因」は、何に重点を置くかを見る

原因を学問的に掘り下げるなら「追究」が合います。一方、事件の説明を関係者に迫るような文では、「追及」が選ばれることもあります。名詞と漢字が一対一で固定されているわけではありません。

「事故の原因を追究し、管理上の責任を追及する」と並べると、違いが見えます。前半は仕組みや経緯を明らかにする調査、後半は責任についての問いかけです。

求める「求」、問い詰める「及」、究める「究」。変換で迷ったら、この違いに戻ってみてください。報告文なら「原因を調べる」「責任の所在を明らかにする」と言い換える方法もあります。使いたい漢字より、何をしたかが先に伝わる文にできます。

「疑問を追究する」と「相手を追及する」では向きが変わる

「なぜ水が濁ったのかという疑問を追究した」なら、原因を深く調べています。「説明した担当者を追及した」なら、相手に問いただしたことが中心です。どちらも質問をすることはありますが、目的が同じとは限りません。

「事情を聞いた」という出来事を、すぐに「追及した」と書くと、問い詰めたような強さが加わります。単に確認した場面なら「経緯を尋ねた」「説明を求めた」で足りることもあります。

反対に、説明の食い違いを繰り返し問いただした場面なら、「矛盾を追及した」が合うでしょう。「追及」は聞き取り全般の言い換えではなく、厳しく問う意味を含む語として選べます。

「追求した」と書くなら、求めたものを具体的に

「品質を追求しました」は、良い品質を求めて取り組んだという表現です。ただ、それだけでは何を改善したかまでは分かりません。「軽さを追求し、持ち手の材料を見直した」と書けば、求めた特徴と具体的な工夫がつながります。

同じ品物について、「長く使えることを追求する」「壊れやすい原因を追究する」「不具合を放置した責任を追及する」と書けます。対象が品物だから漢字が決まるのではなく、求める、調べる、問いただすという行為の違いが表れています。

使い分けに自信がないときは、「耐久性を高めたい」「壊れる原因を調べた」「対応が遅れた理由を問いただした」と、言いたいことを直接書いても構いません。三つの漢字を正しく並べることより、実際にしたことを取り違えず伝えることが先にあります。

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