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LINTO日本語の校正と推敲

間違えやすい日本語 / 第51回

「性癖」は性的な好みだけ?人前で使う前に知りたい本来の意味

「あの人には、何でも最後まで取っておく性癖がある」。性的な話をしているのかと驚くかもしれませんが、この文は、物を捨てずに残す癖を述べています。

「性癖」は本来、性質上の癖や偏りを表す語で、性的な好みだけを意味するわけではありません。 「性」には「性格」「性質」と共通する意味があります。

性的でない「性癖」も辞書に載っている

『デジタル大辞泉』などで説明される中心の意味は、人の性質上の傾向です。たとえば「話を大げさにする性癖」なら、誇張して話す癖を指します。

一方、日常やインターネットでは、性的な嗜好を指して使う場合があります。その使い方だけを知っている人には、別の意味の文が意外に聞こえます。辞書上の意味が広いことと、目の前の相手が広い意味で受け取ることは同じではありません。

「性癖について教えてください」とだけ聞けば、性格の話をしたい場合でも、性的な質問だと受け取られかねません。言葉の知識を試す意図がないなら、質問の対象をはっきりさせた方が親切です。

趣味や癖を聞くなら何と言う?

好きな作品の傾向なら「どんな作品が好きですか」、作業上の癖なら「見直すとき、つい繰り返してしまうことはありますか」と聞けます。「性癖」を使わなくても、知りたい内容は具体的に表せます。

また、広い意味で正しく使っていても、「性癖」にはその人の癖や偏りを指摘する含みがあります。「几帳面な性癖」と評するより、「細かな点までよく確認する人」と書く方が中立的になる場面もあります。

古い小説で「性癖」が出てきたときは、性的な場面だと早合点せず、何をする傾向なのかを前後から読みます。自分が人に使うときは、相手の連想と評価の強さの両方を考える。意味を知っているからこそ、別の語を選べる場合があります。

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