読めそうで読めない漢字 / 第28回
「相殺」は「そうさい」?「そうさつ」?文脈で変わる読み方
「送料の値上がり分を値引きで相殺した」。ここでは「そうさい」と読み、増えた分と減った分を差し引く意味です。 「そうさつ」と読むと、この文の意味には合いません。
「殺」を「さい」と読む理由
「殺」は、人や生き物を殺す意味だけでなく、勢いや量を弱める意味にも使われます。「減殺(げんさい)」もその一つ。「相殺」は、互いに差し引くことによって、一方の効果を打ち消すと捉えられます。
送料が200円上がったが、商品が200円安くなったため、差額は相殺された。
これは数の関係を示す作例です。増加と減少が同じ大きさなので、合計の負担は変わりません。金額に限らず、「近さという利点が、混雑の激しさで相殺される」のように、長所が短所によって目立たなくなる意味でも使います。
「そうさつ」も別の語としてはある
「相殺」を「そうさつ」と読む語もあり、互いに殺し合うことを表します。だから、漢字変換で「相殺」が出たからといって、金額の調整でも同じ読みを使えるわけではありません。
| 文脈 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 利益と損失を相殺する | そうさい | 差し引いて打ち消す |
| 敵味方が相殺する | そうさつ | 互いに殺し合う |
同じ表記でも別の意味を持つため、字だけを切り取ったクイズではなく、前後の文が判断材料になります。
金額が同じなら「差し引きゼロ」と説明できますが、「そうさい」は完全にゼロになる場合だけに使うとは限りません。「利益の一部が損失で相殺された」なら、利益は残っています。どの分が打ち消されたのかまで読むと、数の関係も取り違えません。
参考:用語の解説
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